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EnterpriseZineニュース

セールスフォース、Einstein GPT Trust Layerなど生成AIとクラウドインフラ製品を発表

Data CloudとEngagementの国内提供

セールスフォース・ジャパン 代表取締役会長兼社長 小出伸一氏

 セールスフォースジャパンは7月19日、会見を行い、同社のクラウドインフラストラクチャ製品であるHyperforce上でSalesforce Data Cloud(以下 Data Cloud)と、Salesforce Marketing Cloud Engagement(以下 Engagement)が、2024年1月までに同内で利用可能になることを発表した。

 小出社長は冒頭これらの製品を「信頼できる唯一の情報源(SSOT:Single Source of Truth)を構築するためのセールスフォース独自のデータ基盤」と説明。

 Data Cloudは、同社のCustomer 360の各種クラウド製品とネイティブに連携し、モバイル、Web、外部APIなどあらゆるチャネルやシステムで増え続ける膨大なデータをリアルタイムに取り組み、調整・一体化することで、一元的な顧客プロファイルを作成するもの。

 Engagementは、同じくHyperforce上で、AIを活用してパーソナライズされたキャンペーンの提供を支援する製品。「Data Cloudと Engagementを組み合わせることで、顧客インタラクションがより有益なものとなり、マーケティングのROIを全体的に改善させることができる」と小出社長は語る。

 また、ChatGPTの登場以降、世界的なブームとなっている生成AIについては、「あらゆる業界のお客様からの期待に応えられるような最新のテクノロジーを提供したい。生成AIや自動化のテクノロジーはCRMの在り方も変え、企業と顧客との接点に革命をもたらすと考えている」と述べた上で、Salesforce EinsteinというCRM向けAIを2016年から提供し、開発と改善を重ねてきたとし、今では週あたり1兆回以上の処理を実行し、300以上のAI関連の特許などの実績を築いたことを強調した。

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 今年の3月以降、営業、コールセンター、マーケティング、ECなど様々な分野の製品に生成AIを搭載し、Tableau GPT、Slack GPTも発表しており、生成AIと既存サービスの連携を強化していく戦略だ。

Hyperforceによるデータレジデンシー

専務執行役員 カスタマーサクセス統括本部 統括本部⻑ 宮田要氏

 続いて同社の専務執行役員 カスタマーサクセス統括本部 統括本部⻑の宮田 要氏が、Hyperforceの解説として、ファーストパーティーデータセンターとHyperforceのパブリッククラウドを比較を紹介した。図の左のファーストパーティーデータセンターでは、各クラウド製品がハードウェアからツールアプリケーションに至るまでの個別のインフラストラクチャとして異なる地域異なるデータセンターにあり、APIを通じて統合されている状態。

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 Hyperforceはそのような状況を一変し、パブリッククラウド上で共通のソフトウェア、基盤共通のツール標準化されたセキュリティプロセスを実現するとした。

 この背景のニーズとして、宮田氏は「各業界のデータレジデンシーやコンプライアンス」を挙げる。Hyperforceは2020年の発表以降、現在世界12カ国で稼働しており、間もなく新たに5ヶ国で稼働が予定されているという。

Einstein GPT Trust Layer

マーケティング統括本部 プロダクトマーケティング シニアディレクター松尾吏氏

 マーケティング統括本部 プロダクトマーケティング シニアディレクターの松尾吏氏が、セールスフォースの最新のAIの取り組みとして、「AI Cloud」を解説した。

 最大の特長は、AI導入の最も重要な課題である企業向けAI「データの信頼性」を保つための、Einstein GPT Trust Layerとなる。

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 Einstein GPT Trust Layerは、「動的グラウンディング」という手法を使い、CRMから取得した顧客のコンテキストを使ってプロンプトを生成する。その後、LLM(大規模言語モデル)で活用していくことで、モデルから関係性の高い出力を得ることができる。

 さらに、データマスキング、毒性検出、監査、処理データの非保持(ゼロリテンション)を実施してくことで、信頼性の高い結果を生成する。生成に用いるためのデータは、Data Cloudに格納されており、安全性が確保される。

 「最も重要な点は、お客様のデータがセールスフォースの外部に格納されることが、絶対にないということです。外部の方でがプロンプトを処理すると、プロンプトや生成されたコンテンツの両方は直ちに消去されます」(松尾氏)

 動的グランディングによって、CRMやData Cloudのデータと結び付けられ、データが侵害を防ぎ、個人情報をマスキングするなどの対策が行われる。さらにOpen AI のような外部のモデルを利用する場合、出力が生成されると同時にプロンプト、出力、結果は直ちに消去される。

 活用の事例として、営業部門、サービス、マーケティング、コマース、IT部門など様々な業務の流れの中で信頼できるAIで生産性を向上することができるとした。

 また、AIのアーキテクチャとしてはオープンで、OpenAIの他、Hyperfoceホスティング環境としてはAWS、Anthropic、Cohere、独自モデルの持ち込みではAmazon SageMaker、Vertex AIなどの環境にも対応する。

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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)

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