2023年9月21日、Domoは事業戦略説明会を開催した。
「Domopalooza Japan 2023」の開催にともない来日した、Domo 創業者 兼 CEO Josh James(ジャシュ ジェイムズ)氏は「13年前ほどにある金融機関のCFOと話したときデータに興味はないと言っていたが、他の社員はデータを毎日見たいと話しにきてくれたことを憶えている。今となっては多くの方がDomoを使ってミーティングを行ってくれており、CO2排出量の可視化にも活用されるなど、組織のすべての方に必要なデータをリアルタイムで提供できる」と話すと、生成AIを活用する上でもデータが集約されていることは重要だとする。
また、同社の日本法人においては、「人材育成プログラム」「新たなライセンスの導入」「Domo AI」の3つを柱にして事業を展開していくという。新たな教育プログラム「データアンバサダー育成プログラム」では、事業部門側の担当者が経営者やIT部門と“会話ができる”ようにトレーニングを用意しており、昨年だけでも教育プログラム「Domo University」を利用して6,042名が受講しているなど「政府の動きを含め、ようやく人材育成に火がついた状況だ」とドーモ プレジデントジャパンカントリーマネージャー 川崎友和氏は述べる。
また、これまでユーザー単位で課金するライセンス体系を敷いていたが、従量課金のコンサンプションモデルへと価格戦略も刷新したと強調。加えて、生成AIを含めた主要AIプラットフォームの価値を高めるためにDomo.AIを展開していき、将来的には自然言語で必要なデータを活用できるようにしていきたいという。
ベータ版を含めた利用可能なAIに係わる機能として下図を示すと、今後はHugging FaceやAmazon Sagemakerなどのコネクターの用意、機密データの検出機能やテキスト要約機能、SQLエディタなどのリリースを予定しているとした。
ドーモ ビジネスアナリスト 塩谷風氏は「チャットを通じた体験が重要になる」として、チャットでの自然言語による問い合わせからのデータの取得、グラフを交えた回答が得られる形を模索しているとした。なお、9月21日からDomo.AIの日本語版は公開されている。
次に、Domoを活用している企業としてソニー銀行 データアナリティクス部長 伊達修氏が登壇すると「データが散在し、管理が属人化するなどの課題があった」とDomo導入前の課題を説明。2019年に導入してからは営業データの日次化、社内説明会での啓蒙などによりユーザー数を増やすことができているという。「月に一度の経営層への説明に際しては、導入前はExcelによる手作業でデータを集計・整形するなど約1週間ほどかかっていた。Domoを導入してからは日次更新が可能になり、経営層がデータを見る頻度も増えた」と同社データアナリティクス部 佐藤加奈子氏。利用画面の改修も継続的に重ねており、ユーザーへの定着化が上手くいっていると話す。
伊達氏は「Domoの利用拡大と業績拡大に相関関係も見受けられ、経営層からも効果に係わるポジティブ声が聞こえてくる」と強調すると下図を示し、今後は各部門に分析機能を委譲するフェデレーション型組織への転換を目指していくとした。
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