ベネッセコーポレーションとウルシステムズは共同発起人として、慶應義塾大学 医学部 宮田裕章教授を含む企業や有識者ら17名を理事に迎え、「一般社団法人Generative AI Japan(以下、GenAI)」を2024年1月に発足。1月17日、設立記者発表会を開催した。
まず特別ゲストとして、衆議院議員の小林史明氏が登壇し、同法人の設立に際して次のようにコメント。「日本は人口が減っていく社会だからこそ、徹底的にAIを使って自動化、もしくは人との協働を進める必要があります。だからこそ、新しいルールが必要。まったく新しい技術のルールを皆さんと一緒に作っていくことも楽しい取り組みになると思います。我々も、既に昨年から今年にかけて約1万条項のアナログな規制を撤廃することを決定しました。このGenAIの取り組みが、間違いなく日本の未来を拓き、日本で暮らす皆さんの社会を豊かにする取り組みだと確信しています」と期待を寄せた。
GenAIでは、日本における生成AIの利活用の在り方を議論し、利用者実態に沿ったユースケースから業界標準の確立や、ベストプラクティスの普及を図るとしている。また、ガイドラインの整備や政策提言も重要な活動の一環として行っていく予定だとした。発足にあたり、GenAIの設立目的に共感したアサヒグループホールディングスなど16社が法人会員として参画しているという。
代表理事を務める宮田教授は、生成AIに高い関心や期待が寄せられているとした上で、「これからの未来は、生成AIを前提にして学ぶことや働くことなどのすべてが変わっていきます。これまでの延長で規制を考えるのではなく、何が必要で、何を共にできるのかを考えていくことがGenAIの意義だと考えています」と述べる。
GenAIの活動テーマは大きく次の5つだ(図1参照)。②の「ビジネスユースケースの共有と実装支援」では、業界横断で共通利用できる活用方法づくりや展開、実装のための技術的な知見の共有などを予定している。③の「Labを起点にした共創・協業」では、「GenerativeAI Lab」を、AWS東京オフィス内にある「AWS Startup Loft Tokyo」をはじめ4ヵ所に設置。松尾研究所 パートナーの馬渕邦美氏が同ラボの所長を務め、産官学連携で共創事例を創出していくという。
理事の体制は次のとおり。日本マイクロソフトやAWSジャパン、Google Cloudなど、AIの利活用に関わる企業や有識者らが参画している。
なお、同法人のロゴも生成AIで作ったという。宮田教授は「(ロゴは)様々な道が交差しています。このGenAIも技術的な部分だけでなく、ライフスタイルも含めた多様な未来に貢献していきたいです」と話した。
【関連記事】
・AIガバナンス協会、活動を本格開始 リクルートCOOの瀬名波氏など5名が理事に選任
・生成AI協会、3名の新任理事が加わり活動本格化へ 大田区参事山田氏、アステリア平野氏ら任命
・生成AI活用普及協会、2026年までに「生成AIパスポート」取得者66万人を目指す