オラクルは、「Oracle Globally Distributed Autonomous Database」の提供を開始した。
同データベースは、オラクルのシャーディング技術を基盤に構築され、Oracle Autonomous Databaseの利点を提供すると同時に、データ分散および配置ポリシーに沿ったユーザーによる制御を可能にするという。これにより、組織はアプリケーションに対して透過的に、世界中の物理的な場所にデータを自動的に分散して格納できるとしている。
コンバージド(統合型)データベースであるGlobally Distributed Autonomous Databaseは、ミッションクリティカルなアプリケーション向けの分散データベースの開発と利用を簡素化し、様々なデータ型、ワークロード、プログラミング形式を大規模にサポートすると述べている。既存のSQLアプリケーションを書き換えることなく、分散データベースを使用可能。他の分散データベースと比較し、各アプリケーションのニーズを満たすためのデータ分散、レプリケーション、およびデプロイの方法をサポートしているという。
分散データベースは、複数の拠点に多数のサーバー導入を伴うため、導入と管理が困難になりがちだが、Globally Distributed Autonomous Databaseは、Autonomous DatabaseのAIと機械学習(ML)による自動化をデータ分散とシャード管理の自動化にまで拡げ、その複雑さを解消するとしている。管理者は、分散データベースを1つの論理データベースとして管理し、自動化されたプロビジョニング、チューニング、スケーリング、パッチ適用、セキュリティ機能を活用することで、時間のかかる手作業や潜在的なエラーを回避できるという。
また、個々のシャードごとにデータベースのスケーリングを自動化することで、需要に応じてリソースを増減し、消費量とコストを抑えることができると述べている。
Oracle Databaseのその他の拡張機能
オラクルのテクノロジー・スタック全体にわたる生成AIの統合により、開発者は、「Autonomous Database Select AI」などの新しいツールを利用できるという。アプリケーションにAIとMLを統合するのに役立つとしている。Select AIは、大規模言語モデル(LLM)を使用して、会話スレッドの自然言語の質問をSQLクエリに変換。Globally Distributed Autonomous Databaseでは、SQLクエリが自動的に適切な国またはシャードにルーティングされ、回答が生成される。加えて、Raftクォーラム・ベースのコンセンサス・レプリケーションを備えた「Oracle Database 23c」は、データ損失ゼロかつ3秒以下の自動アプリケーション・フェイルオーバーを提供すると述べている。同機能、検索拡張生成(RAG)を統合した「AI Vector Search」は、今後提供開始を予定しているという。
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