GitHubは2024年2月27日(米国時間)、GitHub Copilot Enterpriseの一般提供(GA)を開始した。GitHub Copilotが、組織においても利用できるようになった。
GitHub Copilot Enterpriseは、AI開発者向けツールとして、すべての組織に1ユーザーあたり月額39米ドルで提供されるという。これにより、開発者は組織のナレッジを簡単に活用できるようになるとしている。
また、チームメンバーは、パブリックコードやプライベートコードについて質問ができ、新しいコードベースの素早い理解のほか、エンジニアリングチーム間の一貫性を高め、全員が同じ基準に則って過去の作業に手を加えることができると述べている。
同社によれば、GitHub Copilotの公開当初より、多方面から「自社のコードやプロセスに合わせて、GitHub Copilotをカスタマイズして使いたい」という声が寄せられていたという。開発者は、組織が保有するコードベース固有の問題、バグ、脆弱性を特定し、解決できなければ、製品リリースよりも問題の解読に多くの時間を費やすことになる。また、開発者は一日に数時間しかコードを書いていないことが多く、クリエイティブな仕事に割けるリソースが少ないという課題を抱えていたという。
カスタマイズされた会話形式のGitHub Copilotエクスペリエンス
GitHub Copilot Enterpriseの中核を成す3つの特徴
1. 組織固有のコードベースをより深く理解する
GitHub Copilot Enterpriseを活用することで、開発者は効率的にコードを理解して操作ができるため、機能の実装、問題の解決、コードのモダナイズなどを迅速に行えるという。また、コードのわかりやすい要約、適切な提案、コードの動作に関する質問への迅速な回答などにより、経験の浅い開発者も速やかに開発に貢献し、経験豊富な開発者がリアルタイムでインシデントに対処したり、古くなったコードベースをモダナイズしたりする支援が可能になるとしている。
2. 組織のナレッジやベストプラクティスに速やかにアクセスする
GitHub Copilot Enterpriseは、チャットをGitHub.comに直接組み込むことで、開発者がコードベースに関する質問を自然言語で行い、回答を受け取れるようにするとともに、関連するドキュメントや既存のソリューションを案内。これにより、組織固有のコードベースと基準に合わせてパーソナライズされた支援や提案を活用して、コードを改善しながら、迅速かつ大規模な反復を促進できるという。
3. Pull Requestをより短い時間でレビューする
Pull Requestのサマリーが生成されるため、開発者はドラフトの作成に費やす時間を減らし、より多くの時間をマージに費やすことができるという。また、GitHub Copilot EnterpriseにはPull Requestのdiffを分析する機能があるため、レビュアーは提案された変更を短い時間で把握しながら、価値あるフィードバックの提供に多くの時間をかけられるとしている。
なお、カスタムモデルなどで明示的に指示された場合を除き、組織のプライベートリポジトリやプロンプトや提案を使用して、GitHub製品を支える機械学習モデルを学習させることはないとしている。
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