EYストラテジー・アンド・コンサルティング(以下、EYSC)は、「マルチモーダルAI」を活用してクライアントの新たな価値創出を支援する「マルチモーダルAIを活用した新規価値創出支援サービス」を4月1日より提供すると発表した。
「マルチモーダルAI」は、映像や画像、音声情報など様々な種類のモーダルを統合的な認識空間で処理するというもの。たとえば、工場の中の画像をAIで判断する場合、シングルモーダルでは画像のみから何がどこにあるのかという把握を行うが、マルチモーダルでは、工場の運営マニュアルと合わせてAIに解釈させることで、工場が適切に運営されているかまで包括的に把握することが可能だとしている。医療業界においては、カルテや医療文献などの情報とレントゲン画像をマルチモーダルで見ていくことで、より高精度に疾患を発見できるという検証結果もあるという。
人間は五感と知識を融合した思考を持ち合わせているものの、固定観念や有している専門性によるバイアス、また、そもそもの認知能力に限度があり、多角的に捉えたり、大量の情報を効率的に処理したりするには限界がある。マルチモーダルAIは、人間が五感により外部情報を検知する仕組みに近い方法で、人間の認知能力の限界を超えた多角的かつ詳細な物事の状態を捉えられるとしている。
新提供サービス
企業向けに研究・開発したマルチモーダルAIと、経営コンサルティングの知見を組み合わせ、業務の効率化にとどまらない企業の新たな価値創出を支援するコンサルティングサービスの提供を開始。シングルモーダルAIを超える推論が行えるマルチモーダルAIの活用は、膨大なデータへの迅速かつ網羅的なアプローチを可能とし、その結果、データ全体の最適化や新たな組み合わせによるイノベーションの創出性を広げることが期待されるとしている。
【関連記事】
・自組織のサイバー対策が有効だと感じているセキュリティリーダーは5人に1人──EY調査
・EY、2024年に通信事業者が直面するリスクトップ10を発表 人材不足によるリスクが3位に浮上
・EY、企業のAI導入/活用を支援する統合型プラットフォーム「EY.ai」を開始