フリーダムとSAPジャパンは、赤城乳業が経営効率化とイノベーション加速のため、DXを実現する基幹システムとして「SAP S/4HANA Cloud」を全面採用したと発表した。このプロジェクトは、フリーダムが上流コンサルティングおよびシステム構築を担当し、2023年11月1日から開始しているという。
赤城乳業は、『ガリガリ君』や『ガツン、とみかん』、『ミルクレア』などといった商品を展開するアイスクリーム専門メーカー。2014年より基幹システムとしてSAP ERPを導入していたが、変化対応力に優れ新機能やイノベーションへの迅速な対応が可能なことから、「SAP S/4HANA Cloud Public Edition」への移行を決定し、長年の運用で蓄積されたアドオンや周辺システムを整理したという。この変革により、情報システム部門を介さず現場で直接必要なデータを取得できる内製化の基盤が整備され、データ活用の課題や負担の軽減が期待されるとしている。
同プロジェクトでは、業務をERPに合わせるFit to Standardの手法とSide by Side開発を活用し、ERPシステム導入時のカスタマイズを最小限に抑えつつ、ソフトウェアの標準機能を最大限に活用することで、コスト効率の良いDXを実現。また、「SAP Signavio」を用いた業務プロセスの可視化とプロセスマイニングにより、エンド・ツー・エンドでの業務透明性を高め、継続的な改善を支援しているという。
赤城乳業の革新を支える戦略的要素と日常業務の効率化を両立させるとともに、社内の様々なシステムからのデータを一元化し、その統合と分析を容易にすることで、データドリブンな経営を強化することに加え、パブリッククラウドの導入により、新機能の追加や法制度への迅速な対応が可能になり、将来の事業展開に柔軟に対応できる体制の実現を目指すとしている。
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