野村総合研究所(以下、NRI)は、物流業界における人手不足などの課題解決と、企業の新規参入・事業拡大を支援する「次世代物流構築コンサルティングサービス」を、5月から提供開始した。
同サービスは民間企業・各種団体・官公庁向けに、ドライバー不足や物流費の増加に関する独自の分析・推計、物流業界と荷主業界双方へのコンサルティング経験、さまざまなデジタルソリューションのノウハウを組み合わせ、物流課題の解決を支援するという。サービスの概要と特徴は次図のとおり。
同社は、官民連携における独自のノウハウと、AIなどを活用した最適化ツールの知見を組み合わせ、ステークホルダーを巻き込みながら、実態調査・制度設計から、標準を業界に定着させるための実証までを支援するという。
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実態調査・制度設計
- 物流・商流の実態把握とその持続可能性を高めるための課題抽出、および海外動向も踏まえたうえでのサプライチェーンの制度設計を支援
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標準づくり
- 共同配送・共同保管など「共同物流」の仕組みづくりに、各企業や団体と連携しながら伴走
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実証運営
- 制度・標準・仕組みを業界に定着させるための実証実験の設計・実施。また、物流にとどまらず、調達・製造・販売・再利用までの事業プロセスを俯瞰し、経営の目線で判断できる人材の育成・定着や、職場における人材マッチングを支援
また、持続可能な物流戦略策定のために、物流体制の見直し、各種作業の効率改善、新たなビジネスモデル構築が必要であるとし、「経営・事業・業務」の各領域にわたって改革と新規参入に伴走すると同社は述べている。
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物流起点の経営改革
- CLO3組織の構築を通じて、人手不足が自社へ及ぼすインパクトの共有、SCMの再構築や物流子会社の再編、物流関連業務の設計、社内外との連携強化を支援
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物流事業改革
- サービスレベルの最適化、共同物流の構築、工場や倉庫の最適配置について、AIを活用したツールを用いて支援。また、顧客起点での物流最適化に不可欠なアカウントマネジメント(顧客別の営業・サービス・業務・予算・収支管理)の仕組みを構築
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物流業務改革
- サプライチェーン内の連携、配車・経路最適化、CO2排出量のモニタリングなど、物流関連業務の効率化をNRI独自のソリューションを用いて支援
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物流業界参入
- NRIがもつシンクタンク、経営コンサルティング、ITソリューションの各機能を活かして、物流分野の新規事業開発や事業拡大において、事業環境予測、事業戦略立案、実証実験、事業立ち上げと成長までをサポート
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