ネットワンシステムズは、神奈川情報セキュリティクラウド(以下、KSC)の県域WANを活用したガバメントクラウド接続案件について、一部先行団体を対象に受注した。
KSCの既存県域WANを活用してガバメントクラウド接続を可能にすることで、神奈川県内の市町村などが接続に係る導入コストや期間を削減し、かつKSCの接続要件に準拠したセキュリティを維持した接続を実現できるとしている。
また、接続回線の設計・構築だけでなく、ネットワーク構築運用管理補助者として、マルチベンダー・マルチアカウント構成でのガバメントクラウド接続環境の整備・運用管理も行い、ネットワークリソースを最適化させるという。
今後は、同サービスを希望する団体からの受注を拡大する予定とのことだ。
デジタル庁は、政府共通のクラウドサービスの利用環境であるガバメントクラウドを用いて、地方公共団体の基幹業務システムの統一・標準化を進めているという。全国約1,800の地方公共団体は、令和7年度末までに、「地方公共団体情報システムの標準化に関する法律」に従い、基幹業務20システムの標準化対応が必須であり、併せてガバメントクラウドへの移行も必要となっているとのことだ。限られた期間でデジタル庁の厳しいセキュリティ要件に準拠しながら、ガバメントクラウドへの移行や接続環境の構築が求められる。
同件の特徴
同件のガバメントクラウドへの接続は、同社のパブリッククラウド接続サービス「クラウドHUB Government Connector」で行うという。同サービスは閉域回線で提供するもので、自治体セキュリティ強靭化方針に沿ってガバメントクラウドとパブリッククラウドの両方で利用できるとのことだ。
同社が設計・構築を担当し、23のサービスで構成されているKSCは、2023度より運用を開始し、神奈川県内の市町村等の計34団体が共同で利用しているという。同サービスは、KSC内のサービスメニューである県域WANを拡張して提供するとしている。
既存の県域WANを拡張利用することにより、導入コストや期間の削減、接続回線の効率化、KSCの統一的な接続要件に準拠したセキュリティ水準のもと、ガバメントクラウド接続を実現できるとのことだ。
加えて、ネットワーク構築運用管理補助者として、「ネットワークアカウント」の範囲で、払い出し申請の支援、設計、構築、運用までを一貫して提供するサービスをオプションにて提供するという。
このような県域における、WANを活用したガバメントクラウドへの接続、およびネットワーク構築運用管理補助支援をワンストップで提供することで、セキュリティ水準の統一化、運用の安定化を図るとしている。
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