2024年11月18日、マイクロソフトは、Microsoft Research Asia-Tokyo(以下、東京ラボ)開設にともない、オープニングセレモニーを催した。
冒頭では、日本マイクロソフト 代表取締役社長の津坂美樹氏が登壇。同年4月に掲げた4つの目標の1つである「東京ラボのオープン」が達成できたと語った。同ラボは、AIイノベーションを中心に研究に取り組んでいくと津坂氏。「高齢化や労働者人口の減少といった日本の課題を解決していくためのエコシステムを作っていければ」と期待を込めた。
次に、マイクロソフトリサーチアジア マネージングディレクターのLidong Zhou(リドン・ジョウ)氏とマイクロソフトリサーチアジア東京 シニアディレクターの松下康之氏が登壇。ジョウ氏は、より良いイノベーションを起こすには多様性が重要であると強調し、グローバルな領域での研究を進めていくと述べた。現時点でアジア太平洋地域では、北京、上海、バンクーバーにもラボを設立している。ジョウ氏は、「今後も拡張を広げていき、国境を越えた形で研究を行っていく」とした。
また、東京ラボで特に焦点を当てて研究を行うものとして、「エンボディドAI」(Embodied AI:身体性をもつAI)が挙げられた。「システム開発と同時に、複雑なタスクの実行も目指していく」と松下氏。それ以外にも、「ウェルビーイング&ニューロサイエンス」「societal AI」「インダストリーイノベーション」などの研究を進めていくという。松下氏は東京ラボを戦略的な場所と述べ、イノベーション・コラボレーションのハブだとした。加えて、日本独自の文化である「ものづくり」にも技術研究で貢献していくとのことだ。
続いて、文部科学省 サイバーセキュリティ・政策立案統括審議官の坂本修一氏が登壇。同ラボは、ITリーダー人材育成の観点や研究におけるインフラ強化などの点から、インパクトを与えるものになるのではと語った。文部科学省は同ラボに、イノベーティブAIの基盤となる技術や、人材のリサーチなどで協力していくとのことだ。
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