ThoughtSpot(ソートスポット)は、「ThoughtSpot Agentic MCP Server」を正式にリリースした。これにより、AIの相互連携が新たな段階を迎えると述べている。
同社によれば、主要な分析&BIプラットフォームベンダーとしては初めて、企業向けに本格稼働可能なエージェント型MCPサーバーを市場投入したという。Claude、Gemini、ChatGPTを含むMCP対応のAIエージェントやプラットフォーム、インターフェースに、ThoughtSpotのエージェント型分析機能をシームレスに統合できるようになるとしている。
企業がカスタムAIエージェントの開発を進める中、大きな課題となっていたのが、ユーザーが本当に必要とするインサイトを提供できる、信頼性が高く堅牢なセルフサービス分析基盤がないことだったという。企業内に十分な時間、リソース、分析専門知識がなければ、こうした分析インフラの構築や統合ができないとのことだ。
ThoughtSpotのAgentic MCP Serverはこの課題を解決し、ビジネスユーザーやデータチームが既存ツール内で企業データを直接分析・活用できるよう支援するとしている。Claude、Gemini、ChatGPTなどの主要プラットフォームとの統合も正式に提供され、開発チームはリソースを最小限に抑えながら、パーソナライズされた分析体験を迅速に展開可能だという。
次世代エージェント型分析の新標準
Agentic MCP Serverは、経営層がAIエージェントやAIを活用したダッシュボードから実用的なインサイトを得る目的でも、開発者が次世代のインテリジェントアプリケーションを構築するシーンでも活用でき、既存の業務フローを変えることなく瞬時に実行可能な分析結果を得られるようになるとしている。
ThoughtSpot Agentic MCP Serverの主な特徴
先読みをしてアクションまで導くエージェント型AI
Agentic MCP Serverは、同社のAIアナリスト「Spotter」のフル機能を提供するという。Spotterは推論を行い、追加質問を自動的に生成、サマリーを作成し、インタラクティブなLiveboard(ライブダッシュボード)を構築、次の最適なアクションまで提案するとのことだ。
データに直接アクセス可能な自然言語機能
自然言語をネイティブにサポートしており、より質の高い正確なインサイトを導き出すという。他のBIベンダーが汎用的なAPI呼び出しを介して間接的に分析を行うことで、誤解や不正確な結果を招くのに対し、ThoughtSpotは直感的かつ直接的な接続で信頼できる回答を提供すると述べている。
最も充実したエージェント型分析機能セット
Agentic MCP Serverは、質問生成、AIを活用したダッシュボードの作成、リアルタイムのインサイト提供まで、目的に特化した統合的な分析スキルを提供するとのことだ。
事実に根ざしたインサイト
ThoughtSpotは、生成するすべてのAIインサイトにおいて、基盤であるセマンティックレイヤーによって誤認識(ハルシネーション)を防ぐとしている。これにより、企業特有の用語や定義、論理を効率的かつ一貫して適用し、エンドユーザーに正確で文脈に即したインサイトを提供するという。
深いインサイトとシームレスなワークフローの実現
Agentic MCP Serverを利用することで、以下が可能になるという。
- AIエージェントとの統合:Spotterを活用してカスタムAIエージェントや生成AIツールが構造化データに直接アクセス・分析可能になり、複雑な分析プロセスを簡素化
- 構造化・非構造化データを一括分析:ThoughtSpotのModelでの構造化データと、PDFやウェブ検索などの非構造化データをシームレスに統合し、Claude、Gemini、ChatGPTといったMCP対応のクライアントアプリケーションと連携してクエリが可能に。これにより、ビジネス全体を俯瞰的に把握し、ダイナミックなLiveboardを通じて、深みのあるインサイトを迅速に提供
- 分析利用の拡大とデータリテラシー向上:Claude、Gemini、ChatGPTなどを通じてビジネスユーザーがデータにアクセスしやすくなり、組織全体のデータ活用能力を高める
Agentic MCP Serverは、すべてのユーザーが即座に導入可能だという。導入方法はThoughtSpotのGitHub上で公開されているとのことだ。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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