日立製作所(以下、日立)は、企業システムにおけるソブリン性の確保とモダナイズを促進する新しいクラウドサービスを、「Hitachi EverFlex クラウドサービス」として提供開始した。

業務要件で選べるプライベートクラウド、マルチテナントクラウドの利用形態に加え、セキュリティなど必要な対策も含めた様々な選択肢により、自律性と利便性を両立するとしている。また、同サービスの中核となる仮想化/コンテナ環境は、「Hyper-V」「Kernel-based Virtual Machine(以下、KVM)」「 OpenShift」の3つを利用でき、日立が環境構築を支援するとのことだ。
サービスの特徴は以下のとおり。
1. 安定してシステムを統制する自律性
企業がシステムを統制する自律性確保を支援。AIソリューション群であるHMAXの展開においても、自律性を確保することで、企業の継続的な成長に貢献すると述べている。
- IT基盤運用の透明性確保と説明責任の支援:運用状況の記録・情報提供、緊急時の対応と報告、監査対応といった企業の説明責任を支援する各種運用サービスにより、透明性を確保するとともに、業種ごとの法規制の改定にも継続的に対応
- データの機密性確保:データの暗号化、データを保全する冗長化、ランサムウェア対策を強化したバックアップなどを提供
- ソフトウェアの継続的なリスク評価:ソフトウェアのパートナーとの技術提携などに基づき、日立のエンジニアによる専門的なソフトウェアのメンテナンス体制を確立。ソフトウェアの継続的なリスク評価をおこない、脆弱性対策のポリシー設定などを実施
2. 変化に柔軟に対応する利便性
クラウドやAIなど日々進化する技術を、企業システムの特性にあわせて適切に取り入れるための高度な専門性をもつエンジニアの技術力を生かし、企業のIT基盤のモダナイズや、AIによる運用の効率化・高度化を推進。また、需要に応じたリソース拡張の迅速化や、利用状況を可視化するセルフポータルの継続的な改善などにより、利便性を向上するとしている。なお、「モダナイゼーション powered by Lumada」のサービス群と組み合わせて、AI ネイティブな事業基盤への変革に貢献すると述べている。
3. 業務要件で選べる多様な選択肢
企業システムの業務要件に沿った運用方針やセキュリティポリシー、モダナイズの状況に応じて、最適な利用形態と仮想化環境を柔軟に選択できるという。
業務要件に沿った運用方針やセキュリティポリシーで選べる利用形態
企業指定のデータセンターで専有環境を標準化した運用で提供するプライベートクラウド、または、日立のデータセンターからITリソースを提供するマルチテナントクラウドを選択可能。いずれの利用形態でも、日立の運用サービスによりデータの機密性確保やバックアップ、法規制対応など、必要な対策を組み合わせて利用できるとのことだ。
信頼性と運用性を強化した仮想化/コンテナ環境
日立独自の技術とパートナー連携により強化された、以下の3つの環境を利用可能。また、IT基盤の導入を容易にする「Hitachi Private Cloud Platform」として提供することも可能だという。
- Hyper-V 仮想化環境:Microsoftの各種サービスとの親和性が高いHyper-V仮想化環境において、日立のノウハウに基づく監視機能やログ機能など強化し、障害時の迅速な状況把握などサービスの信頼性を強化
- KVM 仮想化環境(2026年3月末日提供開始予定):NTTデータの仮想化管理ソリューション「Prossione Virtualization」と、日立独自のLinux高信頼化技術を組み合わせ、運用性と信頼性の向上に継続的に取り組む
- OpenShift コンテナ環境:オーバーヘッドを削減できるベアメタル構成が選択可能。また、「Red Hat OpenShift Virtualization」により、従来の仮想化環境を生かしながら、クラウドネイティブ技術を取り込む段階的なモダナイズを加速
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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