2025年12月8日、宝印刷と日立製作所(以下、日立)は、財務・非財務情報を統合的に管理することで有価証券報告書の開示までを支援する新サービスの共同開発に合意し、協業契約を締結したと発表した。

同サービスは「WizLabo Synapse(ウィズラボ シナプス)」として2026年3月に宝印刷より提供開始予定。具体的には、日立における「ESGマネジメントサポートサービス(ESG-MSS)」のノウハウをもとに、SSBJ(サステナビリティ基準委員会)基準に対応したテンプレートで非財務情報のデータを収集するという。加えて、宝印刷の「WizLabo」のノウハウを掛け合わせ、会計システムなどから連携してきた財務情報と集約。詳細は以下のとおり。
1. 財務・非財務情報双方で、データにおける正確性の確保と一元管理を実現
同サービスの提供により、上場企業は正確性が担保された状態で、グループ会社や複数部門の財務・非財務情報を集約し、一元管理することが可能になる。また、財務・非財務情報の統合管理がなされることで、開示内容の一貫性を担保でき、監査や第三者保証へのエビデンス管理も容易となることから、常に最新かつ信頼性の高い情報の開示が行えるようになるという。さらに、統合管理されたデータは、経営分析や戦略立案にも活用できるとのことだ。
2. 財務・非財務データ収集から開示までを一気通貫で支援し、効率的な情報開示を実現
同サービスは、SSBJ基準に対応したテンプレートでサステナビリティ情報に関するデータを収集。さらに、会計システムなどから連携してきた財務情報のデータを集約し、開示書類のフォーマットにワンストップで出力する。これにより、財務・非財務情報に関するデータの収集から開示までの一連のプロセスが、標準化・自動化されることで、複数部門との調整作業や煩雑なデータ転記や確認作業が軽減されるという。さらに、人的ミス・転記ミスなどのリスクも低減するとのことだ。
3. 非財務情報の収集に関する既存システムの有効活用
非財務情報のデータ収集に用いられている社内システムなど、既存システムとのAPI接続を可能とすることで、既存システムからのシームレスなデータ連携により、上場企業における迅速な導入を実現するという。
両社は今後、宝印刷における上場企業を中心とした、約2,000社の既存顧客への同サービスの提供などを通じて、資本市場との信頼構築や情報開示、および経営判断を支援していく意向を示している。
【関連記事】
・85%のCFOは今期の財務目標達成に懸念示す、昨今の経済情勢が及ぼす影響を深刻視──Coupa調査
・リース識別の正答率は5割を下回る 経理・財務担当者の82%がAIエージェントへ期待─TOKIUM調査
・つくば市で「つくチケ」MaaS実証、交通・観光・小売をシームレスに利用可能に──日立やJTBなど6者
この記事は参考になりましたか?
- 関連リンク
- この記事の著者
-
EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
「EnterpriseZine」(エンタープライズジン)は、翔泳社が運営する企業のIT活用とビジネス成長を支援するITリーダー向け専門メディアです。データテクノロジー/情報セキュリティの最新動向を中心に、企業ITに関する多様な情報をお届けしています。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア
