SAS Institute Japanは、りそなホールディングス(以下、りそなHD)とともに進めるマネーローンダリングおよびテロ資金供与対策(以下、AML/CFT)業務の高度化に向けた取り組みにおける、新たな進展を発表した。
両社は、2024年3月に「SAS Financial Crimes Analytics」を活用したアラートのAIスコアリングを本番運用開始して以降、AML/CFTプロセス全体の質的高度化と業務の省力化の両立を目指し、継続的に高度化を支援してきたという。
今回の取り組みとして、口座・顧客・取引の関係性からネットワーク特徴量を算出し、新たなEDD(Enhanced Due Diligence)候補の検出のほか、ネットワーク特徴量をAIスコアリングモデルの説明変数候補として評価、および活用可能性を検証したとのことだ。
加えて、取引モニタリングにおけるアラートの調査業務に対し、AIが自律的に情報を収集・判断を行う「調査用Agentic AI」の適用にも着手するという。対象となる金融機関は、りそなHD傘下のりそな銀行、埼玉りそな銀行、関西みらい銀行、みなと銀行の4行だとしている。
高度化に関わる取り組みの全体像
両社は、AML/CFT業務の各フェーズ(検知 → 調査 → 報告・モデルやルールの見直し)を包括的に高度化していくことを目指し、段階的に複数テーマを推進しているとのことだ。
ネットワーク特徴量を活用したEDD候補検出およびAIスコアリング高度化の可能性検証
1. 新たなEDD候補の抽出に関する示唆
特有のネットワーク特徴量およびネットワーク構造を持つ先を抽出・検証した結果、新たなEDD候補として調査すべき先を効率的・効果的に抽出できる可能性が確認されたという。今後は、実業務への活用を進めていく予定だとしている。
2. AIスコアリングモデル高度化の活用可能性検証
ネットワーク特徴量を既存AIモデルの説明変数に加えて検証した結果、ネットワーク特徴量が疑わしい取引の判別に有効な要素になり得ることが確認されたとのことだ。今回の検証では、現行モデルの検知精度を維持しながら、調査工数の効率化につながる可能性も確認されており、業務活用を推進していく予定だと述べている。
次の段階:調査用Agentic AIによるアラート調査支援
両社は次の段階として、これまで人が担ってきた取引モニタリングアラートに対する調査業務において「調査用Agentic AI」を適用する取り組みを開始するという。
調査用Agentic AIは、単なる定型業務を自動化するのではなく、調査担当者のように必要な情報源を自律的に参照し、複数のステップを判断・実行しながら調査を進めるAIエージェントとのこと。今回の取り組みでは、以下を目指すとしている。
- より漏れのない包括的な観点での調査
- 調査の初期プロセスを完全自動化
- 「AI+人」の最適プロセスを実現:Agentic AIによる調査結果は、後続プロセスで必ず人によるチェックを行い、最終的な品質と説明可能性は人が担保する設計
AIによる業務代替ではなく、AIと人の役割分担を最適化することで、調査品質の底上げと業務効率の両立を図ると述べている。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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