今回の提携の内容は、NTTソフトウェアがテラスカイの第三者割当増資を引き受け、発行済み株式の約10%を保有し、Salesforceをはじめとする「クラウドSI」案件の受注拡大を目指すというもの。
NTTソフトのSalesforceへの取り組みは早く、2003年にSFAとして導入したことから始まる。「当初はSAPも検討したが、Salesforceの導入に踏み切った。当時は100以上のIDを活用した事例としては国内初だった。その成功体験がクラウド事業への確信につながった」(NTTソフトウェア株式会社 代表取締役社長伊土誠一氏)
その後2008年、Salesforceと社内システムの連携を行うためテラスカイ社と協業。同社が着目したのは、テラスカイの「SkyOnDemand」という従来システムとクラウドの連携技術。テラスカイはSalesforceの関連技術に特化した技術ベンチャーとして出発したが、現在ではこの分野では大手SIerに引けをとらない大型案件の実績があるという。
「DCSpiderは、日本のSalesforceの連携アダプタとして最も売れている製品。そのシステム連携をSaaSで実現したSkyOnDemandであり、これはクラウド時代のデータハブと位置づけられる」とテラスカイ代表取締役社長の佐藤秀哉氏は語る。
また佐藤氏は「Salesforceでは画面のレイアウトなどもVisualforceという環境でのコーディングが必要だったことも導入の障壁。これをテラスカイのSkyEditor2はDrag&Dropで可能にした」とつけ加えた。
クラウド上のデータと企業内のシステムを連携させるという課題は、企業の情報システム部門にとって非常に重要なテーマである。
多くのSIerやベンダーがこの分野でのソリューションを展開し始めている。
NTTグループの大手SIerと、クラウド技術をもつ企業との今回の提携は、日本のSI市場のクラウドの今後を知る上で注目に値するだろう。