NECは2010年度はSIの収益体質強化による増益を見込んでおり、業績としては着実としながらも、SIやコンサルティングでの伸びはまだ弱いと見ているようだ。
発表をおこなったITサービスユニット 取締役 執行役員常務の冨山卓二氏は
「世界市場での地位は8位で、競合や米国企業に比べるとまだ低い。今後の成長のドライバは世界」と述べ「特にアジア太平洋地域が勝機」とつけ加えた。
SIベースでのグローバル事業を加速するために「クラウドサービス」を核に据えているという。
それでは、NECの掲げるクラウドサービス事業とは何か。冨山氏の発表によると、既存システムを段階的にクラウド環境に移行させ、顧客の案件受注を拡大していくという方向であるようだ。
「クラウドといっても中心はSI、高信頼なSI無くしてクラウドサービスは提供できない」(冨山氏)と断言。具体的なソリューション展開としては、NECの経営改革の実践のノウハウをクラウド指向サービスとして体系化すること、業界、業種連携型のクラウド事業を創ることととし、注力領域としては共同センタ型やSaaS型などのアプリケーションであることなどを掲げた。
グローバルにはクラウド指向データセンタ(CODC)を海外5極で展開する他、国内では中堅中小企業向けの「SaaSパートナープログラム」を立ち上げ50種類のサービスを提供や国内データセンター10ヶ所の強化などを行う予定。
最後に冨山氏は、クラウドのサービスの勝機については「単価が安いことと高収益志向は矛盾しない。高付加価値のSIの改善で収益性の向上をめざす」と語り「クラウドで1000億円の成長、グローバルで1000億円の成長のV2012の達成が目標」と締めくくった。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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