去る10月15日に開かれた記者発表会では米VCEサンタクララ・イノベーション・センターのホン・クウェック氏が同研究所の最新成果とVCE連合の今後の展開について発表した。
VCEの仮想化とプライベートクラウドクラウド推進の核となるソリューションは「Vblock」である。これはデータセンター間の統合、サービス事業者の連携、仮想化されたワークロード、ストレージのマルチテナント化といった3社のコンセプトと技術を集約させたもの。
発表の内容は、VCEのソリューションを用いることで、データセンターを跨いでアプリケーションの無停止移動が可能になるというもの。複数のデータセンターを境界なく利用することが可能になる。しかもユーザーはアプリケーションの変更なくワークロードを仮想マシン間で移動させることができ、IPアドレス、MACアドレスの変更も自動的に解決されるという。
「重要なのは各データセンター間で単に動かす事が可能という事だけではなく、アーキテクチャーの設定やスケールアップなどの最適化をデータセンター間で図れるということ」(ホン・クウェック氏)
また、Oracleの仮想環境についての質問に、「公式にはOracleVMの上とされているが顧客が使うなら対応していく。EオラクルをVMwareの上で動かしている企業は多く対応は何の問題もない」とコメントした。
Vblockで稼働するアプリケーションは、VMware、Exchange、SharePoint、SAP、Oracle、GreenplumなどのパッケージやISVやSIによるアプリケーションなどがある。今回はそれらのアプリケーションの2011年のQ2まで対応ロードマップが明らかにされた。
また導入事例として、アジアのシンガポールテコム、オレンジ社、リーバイス社などの大規模仮想環境の集約事例が明かされた。
大規模データセンターの連携という分野で、戦略的に提携した3社だが、日本でも3社共通のパートナーへの取り組みや営業体制の強化を図り、日本市場の開拓を行っていくという。