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ITILに準拠したITサービスの統合管理

~株式会社ビーエスピー製品企画部長、吉永 健三氏に聞く~

ITILを活用しITサービスマネジメントを実現する

ITILのプロセスに準拠することで管理者の負担はどのぐらい軽減されるものなのでしょうか?

 ITILはあくまで運用管理のベストプラクティス、教科書です。LMISは、これに準拠するとともに、開発と運用の連携をはかることで、ITサービスを全体最適化した形で提供できると考え、新しいコンセプトを打ち出しました。運用は、開発されたサービスを保守する部門として捉えられてきましたが、「IT サービスマネジメント」という領域の中で捉えることで、顧客満足度を向上し、サービスを提供する最前線の部門になると同時に、運用部門のメンバーのモチベーション向上や効果的な品質改善、作業効率向上を図ることができます。

具体的にはどのように管理するのでしょうか?

 たとえば、ユーザーのシステムで問題が生じた情報(インシデント)を管理者が把握し、そこで実施した対策、すなわちシステムの変更、構成情報の変更などを一元的に把握するというものです。

 従来、コールセンターなどでも行われてきたでしょうし、構成管理ツールでも部分的には可能でしたが、「LMIS」では、誰がどのような手順に従って作業をしたのかを、インシデント発生から再発防止策の実施に至るまで一元的に管理し、記録に残せるところがポイントです。運用手順の中で、インシデント対応作業や変更作業など、それぞれのプロセス管理が可能ということに重きを置いています。

運用管理者にとってのメリットはどのようなものですか?

 効果的な品質改善により、作業の効率化を図ることができ、運用部門メンバーのモチベーション向上につながります。

 例えば、毎月あるいは四半期で、どれだけのインシデントや問合せが来たかを様々な視点からレポートし、問題に対する改善依頼を出していくことで、効果的な対応が可能となります。また、システム変更や対策処理などの依頼事項の期日管理を行い、メールやアラートで知らせる機能もあります。さらに他社のシステム管理ツールから得られるエラー情報などもインシデント管理に自動的に登録することができ、人的、システム的要因によるインシデント情報を全て一元管理することが可能になります。

 インシデントに対する調査に対しても、画面から別のメンバーへエスカレーションして調査指示を行い、その結果や経過情報の状況を正しく把握したうえで、必要な対策を講ずることが容易になります。プログラムを修正したり、ハードウェアを取り替えたりといった変更要求を画面から処理し、変更担当に伝え、担当者が判断し、責任者が承認をするという一連の流れ、プロセスの正確な把握と管理を「LMIS」が強力にサポートします。

販売対象となる企業規模は?

 エンドユーザー(社内ユーザーも含めて)からの問合せや作業依頼を、日常的に管理されている企業が対象となります。特にその業務対応の改善に迫られているお客様に是非おすすめします。LMISを導入することで、プロセス全体の標準化が行われ、担当者の変更や引き継ぎ等に関しても、作業負荷の大幅な軽減にも貢献します。

ITILのプロセスの中で「LMIS」の特徴的な機能を教えてください

 インシデントの検索機能と運用管理情報の一元管理です。インシデント検索では、過去のインシデントをキーワード登録しておくことでより検索しやすくなります。また、プログラム変更などを行った際に、ライブラリ管理ツールと連動して変更管理を行います。運用管理情報の管理においては、BSPの運用管理ツールであるA-AUTOやA-SPOOL、BSP-RMなどと連携して、ジョブ管理、帳票管理などの情報も簡単に一元管理することができます。

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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)

「EnterpriseZine」(エンタープライズジン)は、翔泳社が運営する企業のIT活用とビジネス成長を支援するITリーダー向け専門メディアです。データテクノロジー/情報セキュリティの最新動向を中心に、企業ITに関する多様な情報をお届けしています。

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