競合他社が大規模データ分析系のアプライアンス製品を出しているが、IBMはこの分野をワークロード最適化のための緊密な「統合化システム」と位置づけている。
今回発表したIDAAは、銀行のオンライン業務に代表されるような勘定系や基幹系システムであるIBM zEnterprise Systemと、情報分析業務のようなビジネス・アナリティクス処理を得意とするIBM Netezza 1000を連携するソフトウェア。
具体的には、ユーザーが端末から照会の実行要求を出すと、IDAAが要求内容を判断し、例えば、銀行振込のようなオンライン処理はSystem z上で稼働するDB2へ、月単位や年単位の売上データ集約や分析はNetezzaへ、のように自動的に最適なシステムへ処理を振り分けるというもの。
トランザクション処理(OLTP)と分析処理(OLAP)をシステムとして一元管理しつつ、それぞれの最適な処理に割り振ることで、処理時間を劇的に短縮することが可能だという。
「基幹系にメインフレームとしてSystem zを導入している金融や通信のお客様にとって、従来は基幹系から情報系に反映させ分析を行う場合、データを抽出や中間データを生成するなどプロセスが必要であったため、時間がかかり部門横断的な分析が困難だった。Netezzaを組み合わせることで、データマートを生成しなくても、データウェアハウスのバッチで高速処理できる。情報系に革命が起こるといっても過言ではない」(日本アイ・ビー・エム株式会社 システム製品事業 エバンジェリスト 北沢強 氏)
また管理者にとっては、振り分けは自動的におこなわれるため、あくまでDB2にアクセスしているだけでNetezzaを意識する必要はなくなる。情報系として分析系システムを構築する必要がなくなるため、運用管理面でも大幅な削減効果ができるとともに、Netezzaの高速分析によりデータベースのチューニングのスキルも不要となるというメリットがある。
IDAA の出荷は11月25日から。価格は560万円(Netezza 1Sブレードあたり、税抜き)からとなる。
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