調査対象者の既存のメールサーバー環境は、商用メールソリューション(オンプレミス)が68.51%、オープンソースメールソリューション(オンプレミス)が17.20%、社外サービス(クラウド)が14.29%だったという。ミラポイントは2009年にも同様の調査を行っており、当時は、社外メールサービス/クラウドサービスの利用は全体の7%であり、今回は増加傾向がみられるものの、85%以上がオンプレミスでメールシステムを運用しているという。
「メールシステム再構築の際に希望するソリューション形態」は、全体の50%以上がクラウドを希望。しかしながら、そのうち半数以上が、パブリッククラウドではなく、プライベートクラウドを選択しているという。パブリッククラウドを利用すれば、システムの管理運用に要する人員や費用を削減できるものの、24時間・365日、社内外を問わず企業のコミュニケーション基盤として稼動するメールシステムに関しては、事業継続および内部統制の観点から、サーバーを他社と共有するパブリッククラウドの利用を躊躇する傾向を読み取ることができるとしている。
オンプレミスを希望する層が選ぶソリューション形態としては、アプライアンス型が約38%で首位であり、チューニングやOSのパッチ管理が不要で、メールシステム運用に必要な機能を1台に搭載するアプライアンス型メールサーバーが評価されているととしている。
クラウドサービスは、メールシステムの再構築においても50%以上が希望しているが、その内の60%以上が、クラウドといってもプライベートクラウドを希望しているという。情報の大動脈であるメールシステムは、コンプライアンス、セキュリティなどの観点から、クラウドの有効性を認識しながらも、外部サービスに委ねるのが最善策かどうかを熟考している状況が反映されているとしている。
また、メールシステム再構築を検討する上で、重視される検討要件のトップは「TCO(総所有コスト)の削減」だったという。TCOには、初期導入費用だけでなく、運用にかかる人的コストやトレーニング費などが含まれるが、「管理運用の負荷軽減」も検討要件のトップ3にランクインしているという。
■「メールシステム再構築に関する調査」の詳細
http://www.mirapoint.co.jp/news/20120522.php