従来のワンセグには地上波と同じ内容を放送する(サイマル放送)という制限があったが、2008年4月の改正放送法の施行に伴い、ワンセグ独自の番組を放送する非サイマル放送が可能となった。本実験は、日立システムと株式会社IBC岩手放送の共同実験であり、エリアポータル株式会社、株式会社日立製作所、株式会社日立国際電気、株式会社日立システム九州、株式会社インデックスの協力の下、総務省東北総合通信局より実験試験局免許の交付を受けて実施するもので、ワンセグ携帯を活用した新しい観光サービス実験となる。
「IBCラジオ平泉ウォーク」のスタート・ゴール地点をメインフィールドとし、コース上の2箇所でワンセグ映像を使った観光クイズを実施。ワンセグの動画番組とテキストによるデータ放送を活用し、徒歩ルートなどに関する情報や、平泉の世界文化遺産への取り組み状況など、そこでしか視聴できないコンテンツを参加者へ提供する。当日はデモ用のワンセグ対応携帯電話を用意し、ワンセグ携帯を持っていない参加者もサービスを体験できるとのこと。
日立システムは、これまでにも展示会場やスポーツ施設など、各地で実証実験を行ってきており、今後も実証実験を繰り返しながら技術検証を行い、エリアワンセグをワンストップで提供するソリューションを開発していくという。
今回の実験は観光サービスがテーマとなっているが、エリアワンセグが定着すれば、災害時の情報伝達等、公共サービスへの展開も期待できそうだ。