NECと日電(中国)有限公司(NEC中国)は11日、中国の現地法人および協力会社の開発要員を対象とする人材育成体制の強化を行うと発表した。
NECは中国でのオフショア開発を積極的に推進しており、現時点で約5,000人の開発要員を擁するほか、09年度までに7000人規模への拡大を目指す。今回の強化によって、現在の要員の開発スキル向上を図るとともに、新メンバーを受け入れるための態勢を整える。ポイントは以下の3点となっている。
人材タイプの定義
ITスキル標準(ITSS)をベースに、同社がソフトウェア開発に必要と考える人材タイプを定義。各タイプ毎にレベル設定を行い、計測のための達成度指標やスキル要件も明確にした。開発要員には、これらのビジョンに沿った教育コースを用意する。
教育・トレーニングセンタの開設
教育インフラの整備のため、NEC中国内に新たに「教育・トレーニングセンタ」を開設。集合研修およびeラーニングを開催する。
集合研修は、NEC製の双方向型ライブ授業システム「i-Collabo.Live」を利用。北京を中心に上海・大連・杭州・西安・済南の遠隔教室をインターネットで結んで授業を行う。北京の講師に対して遠隔教室の受講者が直接質問できるなど、双方向のリアルタイムコミュニケーションが可能。
eラーニングは、NECグループ共通のラーニング基盤システム「LearningDoor」を採用。受講者はインターネットに接続したPC端末より、都合の良い時間と場所を選んで学習できるようになっている。
外部機関との提携
北京航空航天大学ソフトウェア学院、北京中清研信息技術研究院から高度な教育スキルを有する講師を派遣。また、日本でNECグループの人材育成を担当するNECラーニング株式会社と連携し、技術教育テキストの作成や講師を育成する。
日本国内で実施している技術教育・マネジメント教育を中国現地法人社員にも行うことで、より多くの高度な業務(設計業務、システムテストなど)に対応できる人材を育成していく、としている。