この調査では、データセンターを「IT事業者が顧客のサーバー等のIT機器を預かり、または自社所有のサーバーを活用し、インターネットへの接続回線やシステム運用保守サービスなどを提供する施設」としている。
なお、IT事業者間でのOEM供給による重複分や一般企業(ユーザー企業)が保有するサーバー室等の床面積は含まないという。
国内データセンターの総床面積は堅調に増加、2017年度には2,470,000m2に達すると予測
国内データセンターの総床面積は、2011年度~2017年度の年平均成長率(CAGR)3.7%で推移し、2017年度には、2,470,000m2に達すると予測。
2012年度~2013年度にはデータセンターの竣工が多かった一方で、2014年度のデータセンターの新設は一旦落ち着いた。しかしながら、2015年度以降はIT事業者各社によるデータセンターに対する投資が継続され、総床面積は着実に拡大していくと予測する。
事業継続やセキュリティ対策など、データセンター需要は堅調
データセンターに対する需要が堅調である理由として、事業継続対策や法規制への対応を目的に堅牢性が高く、セキュリティ対策が万全なデータセンターを求める企業が増加していることがある。
さらに、データ量の増加を背景としたサーバー台数増加への対応や消費電力の削減を目的にサーバーをデータセンターに移行する企業が増加していること、情報システム要員の人材不足のため定型業務である運用業務をアウトソーシング(外部業務委託)する企業が増加していること、などが背景にある。
首都圏データセンターへの投資の伸びは一時的に鈍化するも再び伸長を予測
2011年度~2017年度の首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)のデータセンター総床面積の年平均成長率(CAGR)は地方よりも高いが、2014年度~2017年度で見ると伸びは鈍化する。
これは首都圏ではデータセンターに適する土地の確保が難しくなっていることや、2020年東京オリンピックの影響で建設コストが高騰していることなどが影響している。ただし、首都圏のデータセンターには大口ユーザーである大手企業からの底堅い需要が存在するため、2018年度以降は再び首都圏の成長率が地方よりも高くなると予測する。
なお、調査の詳細は矢野経済研究所が発行している「データセンター事業の実態と投資動向 2015」にまとめられている。