2015年は銀行、組立製造業、プロセス製造業、公共/公益、官公庁分野がプラス成長
2014年の国内IT市場は、多くの産業でIT支出が伸び、全体で前年比成長率が2.4%という実績となった。2015年の国内IT市場規模は14兆6,435億円、前年比成長率は前年の反動を受けマイナス0.5%を予測している。
全産業を通じ概ね横ばい、またはマイナス成長を予測するが、その中で、比較的高めのプラス成長を予測している産業は、銀行(前年比成長率0.7%)、組立製造業(同0.8%)、プロセス製造業(同1.0%)、公共/公益(同1.6%)、官公庁分野(同0.7%)。
銀行では、大手および地方銀行において大型案件が見込めるほか、製造業では、輸出産業を中心に円安の恩恵を受け業績が好調となったことから凍結していたシステム案件が再開し、同時に国内生産拠点を強化する動きも見られ、設備投資が進むと予測している。
また、公共/公益では2016年の電力小売り完全自由化、2015年に始動する「マイナンバー制度」などがIT支出を後押しするとみている。
2015年の第3のプラットフォーム市場は6.0%成長
2015年の第3のプラットフォーム市場は6.0%成長、第2のプラットフォーム市場はマイナス4.4%と予測。国内IT市場の構造変化は予測期間中も継続し、第3のプラットフォーム市場の2013年~2018年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)5.6%で拡大し、第2のプラットフォーム市場はマイナス2.6%で縮小に向かうと予測している。
また、ユーザー企業調査結果からは、まず大企業を中心に第3のプラットフォームを導入し、徐々に中堅、中小へと浸透していく構図が見られた。利用率はまだ低いものの、自社の産業分野に固有の領域で、第3のプラットフォームが支えるテクノロジーの活用が広がりつつあることが今回の調査で明らかになったと分析している。
IDC Japan ITスペンディングマーケットアナリストの岩本直子氏は、「ITベンダーは、産業分野別に固有のビジネス課題を理解し、ユーザー企業の規模とIT活用ステージに応じた第3のプラットフォームの可能性を提案することで、ユーザー企業の成長戦略を共に歩むパートナーとなるべきである」と述べている。
今回の発表について詳細は、IDCが発行したレポート「国内IT市場産業分野別 2014年下半期の実績と2015年~2019年の予測」にまとめられている。