事業者DCやクラウド環境へ移行が加速し自社DCへの投資を抑制
発表によると、事業者データセンターでは、57%の管理者が今後5年間にDC投資が増加する見込みと回答したのに対し、企業内DCで投資が増加すると回答したのは27%にとどまった。企業内DCでは、IT資産を事業者DCやクラウド環境へマイグレーションする取り組みが加速しており、自社のDCファシリティへの投資を抑制している。
一方、事業者DCでは、こうしたマイグレーションによって企業のITインフラを設置するファシリティが必要となり、DC投資の増加につながっている。さらに、第3のプラットフォームを利用した新しいデジタル市場の拡大もクラウドサービス需要拡大を加速させており、事業者DC投資の拡大に追い風となっている。
DC事業者は新DC建設と既存DCの運用改善を同時に実施する難しい課題に直面
今回の調査では、DCファシリティ投資や運用に関する取り組みについても調査している。それによると、事業者DCではファシリティ新設/増設の取り組みとともに、既存DCの運用効率化(運用スタッフの削減など)に取り組むケースが多くなっている。
事業者DC間の競争が激化するにつれて、DC事業者は、新たなDC建設と既存DCの運用改善を同時に実施しなければならないという難しい課題に直面していることがわかる。
IDC Japan ITサービスリサーチマネージャーの伊藤未明氏は、「近年増加している大規模DCでは、電力コストが運用コストの大部分を占める。DC事業者はこうした大規模DCの省エネ性能向上に取り組むことによって、コスト競争力を強化することが重要である」と述べている。
今回の発表は、IDCが発行したレポート「2016年 国内データセンター管理者調査:運用課題と投資動向」にその詳細が報告されている。