今回のサービスと拡張機能の提供により、Oracle Big Data Applianceの顧客は、オラクルの豊富なビッグデータソリューション群に加え、Asakusa Frameworkを利用した高性能な業務アプリケーションをOracle Big Data Appliance上で容易に構築、動作させることが可能となるという。
Asakusa Frameworkは、導入した企業から高い開発生産性、複数の実行基盤をサポートするポータビリティを評価されているという。金融機関の融資部門では、Asakusa Frameworkを使うことで、それまで開発が難しく諦めていたHadoopの活用に成功し、10時間かかっていたデータ分析が7分に短縮され、融資先の審査やリスク管理が迅速化されるという実績をあげている。
また、データセンター事業者では利益管理に分散処理基盤を活用しており、土地代や建屋、サーバー、人件費、CPU利用量やネットワーク流量など、膨大なデータを顧客ごとに紐付け、実際の稼働ベースでの売上・利益分析を可視化することで、迅速な経営判断が可能となっているとしている。
Oracle Big Data Applianceは、大手のエンタープライズ企業がビッグデータを蓄積・活用できるように、数多くのエンタープライズ企業にも採用され、さまざまな厳しい業務要件を支援するCloudera Enterpriseを包含し、HadoopおよびNoSQLデータベース上のさまざまなワークロードを実行するための高パフォーマンスで管理性が高い、セキュアな事前構成済みプラットフォームを提供する。
また、オラクルの高速データベース・マシンOracle Exadata Database Machineと連携して稼働し、HadoopやNoSQLデータベース、Oracle Database間でデータをSQLでシームレスに統合できるOracle Big Data SQLなどのデータ連携ソリューションを有し、業界最高水準のビックデータマネジメント基盤との評価を得ているという。
エンタープライズでの豊富な実績を持つ2つの製品の特徴を組み合わせることで、ビッグデータ分析処理に強みを持つOracle Big Data Applianceと、Asakusa Frameworkの持つデータ処理アプリ開発の容易性により、企業におけるあらゆるビッグデータ処理ニーズに対応する、高速かつ高度なデータ活用を実現するとしている。
従来、Oracle Big Data Applianceは、業務アプリケーションの開発に有効な機能を提供してきたが、今回、ノーチラスではAsakusa FrameworkからOracle Big Data Applianceの強力な機能を簡単に利用できる拡張機能を開発したという。
Asakusa FrameworkのOracle Big Data Appliance向け拡張機能は、次の機能から構成される。
・Oracle Big Data SQL Integration
Asakusa処理の入出力データを、Oracle Databaseの外部表として読みだすことが可能になる。Oracle Big Data SQLと組み合わせることで、ユーザーはデータの形式や配置の違いを意識することなく、Oracle SQLインターフェースを通じて、統一してセキュアに扱うことができる。処理結果をOracle Databaseにインポートする必要はない。
・Perfect Balance Acceleration
Oracle Big Data Applianceが提供するPerfect Balanceは、MapReduce処理のデータによる偏りを自動で是正し、処理の高速化を行うライブラリ。Asakusa Frameworkは、MapReduce処理を生成するが、その際にMapReduceジョブの処理ステップが少なくなるような最適化を行っている。このモジュールは、Asakusa Frameworkが生成するMapReduceジョブにPerfect Balanceを適用し、手作業では困難なMapReduceジョブの総合的な最適化を行うもの。
この拡張機能は、当面の間、業務アプリケーション構築サービスと一体のものとして、ノーチラスおよびSIパートナー各社から提供される。また、今後オラクルより提供予定のPaaSである、Oracle Big Data Cloud Service、およびOracle Big Data SQL Cloud Serviceにも対応予定。