国内DWH用DBMS市場の2015年度の売上金額は約40億円、前年度比35.0%増と急速な伸びとなった。Amazon Web Servicesの高成長に加え、後発のグーグルが著しい伸びを示していることが主な要因となっている。IoTの導入の高まりなど、データ活用環境の強化に対する投資が着実に増加していることから、2016年度も同26.8%増と引き続き大幅な伸びを予想している。
この市場を、パッケージとSaaSの提供形態別に分類して見ると、これまではパッケージでの導入が主体だったが、2015年度よりSaaSでの導入が急速に拡大し、2017年度の市場規模ではSaaSがパッケージを上回ると予測している。現在、Amazon Web Servicesの「Amazon Redshift」がSaaS市場の拡大を牽引しているが、グーグルの「Google BigQuery」も急速に売上げを伸ばしており、市場の高い伸びを後押ししている。
ITRのプリンシパル・アナリストである内山悟志氏は、「デジタル技術を活用したビジネスモデル革新や新規ビジネス創出への注目が高まる中、データ分析はその重要な要素となることから今後も需要が拡大すると予測されます。とりわけビジネス環境変化が著しく、要件変更が頻繁となるシステムにおいては、SaaS型のDBMSによる迅速展開が期待されるでしょう」とコメントしている。
今回の発表は、ITRが発行した市場調査レポート「ITR Market View:DBMS/BI市場2017」に詳細を掲載している。このレポートには、RDBMS、DBMSアプライアンス、Hadoopディストリビューション、データ分析/レポーティング、データウェアハウス(DWH)用DBMS、データ・マイニング、テキスト・マイニング、ETL、データ・クレンジング、データ・フェデレーション市場の国内全45ベンダーへの調査に基づいた2014~2015年度売上げ実績および2020年度までの売上げ予測を掲載している。