メインフレームとその他のサーバーの出荷額が2桁のマイナス成長
2016年の国内サーバー市場は、x86サーバー、メインフレーム、その他のサーバーの全ての製品分野で、出荷額と出荷台数ともに前年からマイナスの成長となった。国内サーバー市場の出荷額は、2013年以降、3年間プラス成長だった。x86サーバーの出荷額、出荷台数がともにマイナス成長となるのはリーマンショック以降、7年ぶりとなる。
また、メインフレームとその他のサーバーの出荷額は、2桁のマイナス成長となった。メインフレームとその他のサーバーの出荷額が2桁のマイナス成長になったのは、前年にあった官公庁や金融向け大型案件の反動が要因となっている。また、官公庁や金融ではメインフレームの上位機種を採用するケースが多く、その更新需要が一巡しつつあるとみている。
IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ リサーチマネージャーの下河邊雅行氏は「メインフレームやその他のサーバーのマイナス成長に加えて、x86サーバーがマイナス成長となった背景にはサーバーリソース集約の加速がある。クラウドサービスの台頭により、ITバイヤーのコンピュート処理を、クラウドベンダーのサーバーが代替するケースが増えている。クラウドベンダーは、サーバーの利用効率を高め、きめ細かいリソース利用状況を料金に反映することでサービスの差別化につなげている。今後、国内サーバー市場が成長するためには、ニューワークロードを創造し、クラウドベンダーでのサーバーリソース集約効果を上回る、新たなコンピュート処理の需要喚起が必要である」と述べている。
出荷額では富士通、出荷台数ではNECが首位
ベンダー別の出荷額では、富士通が首位を獲得した。メインフレームとその他のサーバーは2桁のマイナス成長だったが、文教や医療分野での大口案件が貢献し、x86サーバーはプラス成長であった。
2位はNEC。メインフレームとその他のサーバーは、前年の大型案件の反動で2桁のマイナス成長だった。x86サーバーも前年の大口案件の反動でマイナス成長だった。3位は、日本ヒューレット・パッカード(HPE)でした。x86サーバーが2桁のマイナス成長だったが、その他のサーバーは2桁のプラス成長となった。
4位は日立製作所。x86サーバーは2桁のマイナス成長、メインフレームもマイナス成長だったが、その他のサーバーでは3桁のプラス成長であった。5位は、前年から順位を1つ上げたデルテクノロジーズが、IBMとタイだった。デルテクノロジーズは、x86サーバーがプラス成長。IBMは、メインフレームとその他のサーバーともに2桁のマイナス成長だった。
出荷台数においては、NECが首位を獲得した。富士通が2位、3位以下は、HPE、デルテクノロジーズ、日立製作所の順。なお、ODM Directの出荷台数は前年比、5.8%のマイナス成長となったが、昨年同様上位ベンダーに相当する規模だった。
今回の発表は、IDCが発行した「国内サーバー市場 2017年~2021年の予測:2016年第4四半期」にその詳細が掲載されている。