日立ソリューションズは、これまで、ビジネスデータを管理するプラットフォームとして、文書管理、帳票管理、企業間情報共有など、「活文」の製品群を提供してきた。このたび、「活文」は、AIを取り入れることで、これまで人手によらざるを得なかった煩雑な業務を自動化、大量のドキュメントを読み込み、解析することをAIに行わせることで、人が考察・判断に集中できるようになるという。
その第1弾として、「活文」の企業間情報共有システムをベースに、類似した対応履歴をレコメンドすることで問い合わせ対応を効率化するとともに、問い合わせ窓口に寄せられる声をAIで分析し、新たなニーズを発掘する「活文 問合せ対応業務効率化・情報活用ソリューション」と、スキャンした書類から必要なデータを、「活文」のデータ自動抽出基盤に搭載したAIで自動抽出する「活文 データエントリ業務支援ソリューション」を7月3日から販売開始する。
発表されたソリューションの概要は次のとおり。
1.「活文 問合せ対応業務効率化・情報活用ソリューション」
保守対応業務などにおいて、企業間情報共有システム「活文 Managed Information Exchange」を使って組織横断的な問い合わせ情報の共有を実現するとともに、ボットが過去の問い合わせ履歴やFAQを自然文検索し、その結果を自動的にレコメンドすることで、回答をサポートする。
また、蓄積された問い合わせ履歴は、AIが同義語の定義や分類の定義をすることなく、関連性の高い内容を類推して自動分類する。管理者は、分析結果をファイルで出力したり、グラフなどの視認性の高い画面で確認したりすることができる。
これにより、主に製造業など国内や海外の他拠点からの問い合わせに対応している企業は、よくある問い合わせだけでなく、関係部門へのエスカレーションが必要な問い合わせを含めた全体の対応効率を向上できる。また、実際に蓄積された情報に含まれる言葉で分類することで、新しいキーワードや専門用語が含まれる場合であっても、分類を再定義することなく、新たなトレンドやニーズを見つけ出し、製品企画や機能強化に生かすことができる。
2.「活文 データエントリ業務支援ソリューション」 これまで人手による膨大な作業量が発生していたデータエントリー業務を効率化するため、データ自動抽出基盤 「活文 Intelligent Data Extractor」を新たに提供。この製品は、搭載したAIの機械学習機能で、スキャンした書類から必要なデータを自動で抽出する。フォーマットが異なる書類であっても、罫線や周辺の文字情報から候補を抽出するため、抽出結果が誤っている場合は、訂正内容を学習させることで、認識精度を高めることができる。 「活文 データエントリ業務支援ソリューション」では、紙書類の電子化やスキャニング、OCR処理部分を含め、必要なシステムも提供する。これにより、企業の入力担当者は、抽出結果を確認するだけになり、業務負荷や人的ミスを大幅に軽減できる。