2021年までの年間平均成長率は7.0%、市場規模は4,605億円と予測
2016年の国内デジタルマーケティング関連サービスの市場規模は、前年比成長率6.1%の3,288億円であり、2016年~2021年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は7.0%、2021年の同市場規模は4,605億円になる見込みだ。
国内デジタルマーケティング関連サービス市場をデジタルマーケティング関連ITサービス市場とデジタルマーケティング関連ビジネスサービス市場に分けると、同ITサービス市場は、ITコンサルティング案件を起点とした需要の拡大により、2016年~2021年にCAGR 7.0%で成長し、2021年には2,197億円となり、同ビジネスサービス市場は、企業の人材不足を背景としたBPOサービスの拡大により、2016年~2021年にCAGR 7.0%で成長し、2021年には2,408億円になるとIDCでは予測している。
デジタル事業を強化した広告代理店のプレゼンスが高まっている
産業分野別に見ると、ITサービス、ビジネスサービスへの支出額が何れも300億円を超える産業分野は、製造、流通、金融、その他(不動産や旅行、運輸サービスなど)となっている。製造では、ブランドを持つ企業を中心として、モバイルデバイス対応やコンテンツのパーソナライゼーションに関わる案件が支出を牽引し、流通では、メディア選定や広告配信の最適化、オムニチャネル施策などの需要が伸びている。その他では、顧客体験の強化やデジタルチャネルの刷新に向けた取り組みが活発となっている。
デジタルマーケティング市場には、広告代理店やコンサルティング会社、システムインテグレーターなどのさまざまな事業者が参入している。広告代理店は、デジタル事業を強化し、ITサービスの領域にもサービス範囲を拡大しており、ユーザー企業のサービス事業者に対する認知度や利用動向からも、広告代理店のプレゼンスが高まっている。
IDC Japan ITサービスグループのリサーチマネージャーである木村聡宏氏は「サービス事業者は、変化するデジタルマーケティングに追随するとともに、テクノロジーの担い手として、デジタルマーケティングにイノベーションを起こすことで、新たな成長機会を創り出すことができる」と分析している。
今回の発表は、IDCが発行したレポート「国内デジタルマーケティング関連サービス市場 セグメント別/産業分野別 2017年~2021年の予測」にその詳細が報告されている。レポートでは、同市場における主要事業者の動向をまとめ、2017年4月に実施したユーザー企業の調査結果を分析した上で、2017年~2021年の予測を行い、サービスセグメント別/産業分野別/マーケティング活動分類別の市場規模を算出している。