「TradeFront/6G」は、富士通エフ・アイ・ピーが提供する国内最大規模の流通業界向け企業間EC/EDIサービス「TradeFront シリーズ」の後継サービスになる。従来の流通BMS(Business Message Standards)の基本機能を継承しながら、システムをクラウド基盤上に搭載し、新規取引先との接続を容易にする機能強化などを行った。これにより企業は、EDIサービスの導入や運用におけるさまざまな負担が軽減されるとともに、信頼性や可用性が向上し安定したサービスを継続的に利用することが可能になるという。
EDIを支える通信環境では、2024年頃にISDNなどの公衆交換電話網(PSTN)を使った通信サービスが順次廃止され、インターネット技術を使ったIP網へと移行する。EDIで長い間利用されてきたJCA手順などの通信プロトコルが利用できなくなる可能性があるため、これを機に、流通業界におけるEDIの標準仕様である流通BMSを導入する機運が高まっている。流通業界以外でも、JCA手順などを利用している事業者は、IP網へ移行する必要に迫られているという。
これまで、富士通エフ・アイ・ピーは、1982年に開始したVANサービス「VARNETシリーズ」の提供を皮切りに、マルチプロトコルに対応した企業間EC/EDI サービス「Tradefront シリーズ」により、35年以上にわたって流通業界における課題を解決すべく、受発注業務などを支援してきたという。
「TradeFront シリーズ」には、流通BMSにも対応した小売向けの「TradeFront/AE」や、卸・メーカー向けの「TradeFront/SE」があり、国内最大規模の流通業界向けEDIサービスとして、小売約250社、卸・メーカー約30,000社に利用されている。
今回、富士通エフ・アイ・ピーは、消費者のニーズや通信環境の変化に伴う流通業界の新たな課題に対し、「VARNET シリーズ」から6世代目となる新たなEDIサービス「TradeFront/6G」の販売を開始する。「TradeFront/6G」は、従来の基本機能を継承しながら、新たにクラウド基盤上にシステムを搭載することで、その特性を生かし、信頼性・可用性をさらに向上させ、24時間365日、安心・安全なEDI環境を提供するとしている。
「TradeFront/6G」の特徴は次のとおり。
1. 高い信頼性・可用性で安心・安全なサービス
新たにクラウド基盤上にシステムを搭載。リソースの拡張などが柔軟に行えることから、システムの保守や運用が容易になり、従来のサービスと比較して、信頼性・可用性が向上した。35年以上にわたり流通業界のEDIを支援してきた豊富なノウハウと組み合わせることで、24時間365日、安心・安全なサービスを提供することが可能。
2. スピーディーで確実な取引先との接続
EDIの新規導入や、新たな取引先との接続の際に負担となる取引先への説明や各種手続き、問い合わせ、テストなどを、経験豊富なシステムエンジニアが実施。これに加え、新たにユーザー自身で簡単に接続仕様の登録やテストが可能な「セルフサービス機能」追加。接続時のコストを一層軽減するとともに、短期間での接続を可能にする。
3. 富士通データセンター内の基幹システムなどとの容易な接続
富士通グループのデータセンター間閉域網と接続された環境に構築されているため、富士通データセンター内で基幹システムが運用されている場合、あるいは富士通エフ・アイ・ピーの店舗発注管理サービスなどを利用していれば、新たにネットワークを敷設することなく、短期間かつ低コストでそれらのシステムと「TradeFront/6G」との接続が可能。また、閉域網に接続されている各種サービスも簡単に利用できる。