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フラッシュストレージが企業ITに適用されてきた10年の軌跡を振り返る

2018/11/20 08:00

 「フラッシュストレージに関する誤解を払拭する」という理由で始めた本連載は、今回で3回目を迎えました。これまでの連載では第1回で信頼性、第2回でパフォーマンスの特性について解説しました。今回は、フラッシュがエンタープライズシステムに適用されてきた10年の軌跡を振り返りながら、信頼性を疑われてきたフラッシュストレージに対するストレージベンダーの取り組みやイノベーションを紹介しつつ、これから先起きえることを解説していきたいと思います。なぜ、このような話をするのか、その理由を最初に書いてしまいますが、今日のようにオールフラッシュストレージが様々なシーンで活用されるようになり、安心できるようになった背景がこの歴史から紐解けるからに他なりません。一言で言うならばNANDフラッシュの特性にあわせてデザインされてきたこと、そしてその影には半導体の進化のみならず、ソフトウェア技術の進化が大きいことにあります。

フラッシュがエンタープライズに適用されてきた10年とは?

 2018年がエンタープライズフラッシュストレージ10周年というのは、10年前にエンタープライズストレージ市場で画期的な出来事が起きたことに起因します。それは「SSDを搭載したエンタープライズストレージシステムが世界で初めて登場した」という事実です。

 世界初となったそれは、EMC社が2008年1月に発表し、2008年3月から日本国内でも販売を開始した「EMC Symmetrix DMX-4」の高速メモリドライブとして提供されました。

 EMC Symmetrixは多くのミッションクリティカルなビジネスを支えてきたEMC社のフラグシップモデルにあたるストレージシステムです。パフォーマンスはもちろんですが、とくに高い信頼性が問われる最上位機種にSSDが初めて搭載されたことは画期的なことでもありました。当時の発表資料からすると、データベースや金融トランザクションなどの高速処理が求められるシステムや省電力化が至上命題となっていたデータセンターを想定していたようです。このような考え方は今日と基本的には変わってはいません。

 時同じくして、もう1つ画期的な出来事が起きています。それはFusion-io社が発売したioDriveの登場です。ioDriveはPCI Expressの高速インターフェースを活用することで半導体であるNANDフラッシュの特性を最大限活用すること、ソフトウェアによってMLCのNANDフラッシュでも高い信頼性を確保し、エンタープライズ用途でも使用可能な品質を提供するために開発されました。

 一般的なSATAやSAS接続のSSDとは異なるアプローチで設計されたioDriveは、サーバーのPCI Expressスロットに装着するAIC(Add-In Card)型のフォームファクターにNANDフラッシュを実装したDAS接続のストレージデバイスで従来とは比較にならない高速性を実現しました。このような変化が10年前に誕生したのです。

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著者プロフィール

  • 山本 哲也(ヤマモト テツヤ)

    サンディスク株式会社 エヴァンジェリスト ウェスタンデジタルグループに属するサンディスク株式会社のエンタープライズ向けフラッシュストレージ製品をはじめコマーシャルビジネス製品全体の販売促進活動ならびにアライアンス強化活動等のマーケティングを担当。以前は日本DEC(現、日本HP)や日本オラクル、...

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