非上場だからこそ顧客のニーズに長期的に投資できる
Q:ITインフラのクラウドへのシフトも進んでいます。そんな中、Information Buildersでは現状のBI市場をどのように捉えていますか?
ベラ氏:BIをどうするかにおいても、IT環境のクラウド化は重要なイニシアティブだと思っています。クラウド化が進んでいることで、ソリューションの構築スピードが速くなっています。マイクロサービス化して、プラットフォーム全てをクラウドへ配信せずに、必要なものだけを素早くクラウドに展開できるようにもなっています。クラウド化が進んだことによるこれらの変化で、BIは多くの人から利用されやすくなっています。
Information Buildersで、クラウド環境へ対応しています。昨年からAmazon Web Servicesと昨年から協業しており、我々はAWSの認定コンサルティング・パートナーでもあります。Information Buildersの製品は、インフラにバンドルの形でクラウドから提供しています。フルマネージドのSaaSとしても利用できます。6ヶ月程前からクラウドでサービス提供を始め、既に北米で13社の顧客に採用されています。欧州でも利用が始まっています。
Q:非上場の独立系BIベンダーという存在は珍しいと思います。今後もこの体制でビジネスを拡大していくのでしょうか?
ベラ氏:Information BuildersはBIのベンダーとして既に43年の歴史があり、主に大手企業を対象にビジネスを展開してきました。長期に亘る会社運営を経て、プライベートカンパニーであることにはメリットがあると感じています。我々は上場していなので、自分たちの資金を独自の判断で投資できます。それにより顧客のニーズにフォーカスできるのです。NSKのブランドで知られる日本精工では、1982年から我々の製品を使ってくれています。このように長く使ってくれる顧客に対しても、技術的なサポートを変わらずに提供し続けています。これも、プライベートカンパニーならではの対応だと思っています。
とはいえ、プライベートカンパニーだからイノベーションがなくていいわけではありません。市場スピードに合わせる必要があり、製品のモダナイズにも注力しています。そのためにも、2017年にはゴールドマンサックスから資金を調達しています。
大規模なデータ、大規模なユーザーの分析に対応できる拡張性が強味
Q:Information Buildersの強味はどのようなところになりますか? また、今後強化していきたいところはありますか?
ベラ氏:柔軟な拡張性があり、どのような規模の顧客にも対応できるところです。これにより何10万ユーザーのアクセスにも対応します。さらに統合化の機能があり、さまざまなデータソースにも対応できます。この2つを同時に兼ね備えていることが、大きな特長です。その上で我々は、インテグレーション、インテグリティ、インテリジェンスという3つのキーワードで製品の開発を行っています。
今後は、さらなるモダナイズをしていきたいと考えています。その上で使い勝手をさらに良くしていきます。プラットフォームの安定性の高さには定評があるので、それを維持しつつ使い勝手の面をさらに向上させたいところです。
Q:WebFOCUSが主力製品ですが、市場からはどのように評価されていますか?
ベラ氏:WebFOCUSは、簡単にアプリケーションを作れるのが特長です。既に使い古された言葉かもしれませんが、拡張性が高いところが評価されています。アプリケーションも多様で、さまざまな人のニーズに対応できます。レポートや図、表などの表現も多様なものがあります。
Q:競合としては、どのようなベンダーがありますか?
ベラ氏:Information Buildersでは、BIのためのプラットフォームを提供しています。その上にのるアプリケーションについてはさまざまなものがあります。BIツールの業界で最近のキープレイヤーとしては、Qlik、Tableau、MicrosoftのPowerBIなどを挙げることができるでしょう。とはいえ我々はBIのためのプラットフォームであり、これらとは求められるニーズが異なるものだと捉えています。