クライアント仮想化導入済み企業の72.7%が、デジタルワークスペースを導入
クライアント仮想化導入済み企業550名の72.7%が、デジタルワークスペースを導入している。その業務/用途、利用場所は多岐に渡り、拡張傾向にある。さらに、23.4%の企業が、インテリジェントワークスペースを導入済み、もしくは導入する計画があると回答している。
企業は、それぞれの業務に適合したワークスペース戦略を検討する時期に来ているとIDCではみている。「ストレージ仮想化」「ネットワーク仮想化:SD-WAN」「GPU仮想化」「HCI:ハイパーコンバージドインフラ」などへの関心度は4割~5割と非常に高く、VDI環境化において、安定した技術として定着している。
さらに、今回の調査対象者全員のうち4割超が、「音声による電話会議システムとの連動によるVDI配信」「5G環境でのDesktop as a Service」「アプリケーション単位の防御/自動化とVDIの併用」「マイクロアプリとVDI連携」など、次世代のテクノロジーに対し関心を示している。
一方、2019年に国内でも発表されたWindows 10 マルチテナンシー対応のパブリック Desktop as a Service「Windows Virtual Desktop」、「クラウドページング技術」、「次世代仮想化基盤 Azure Stack HCI」など、クラウド関連技術に対する利用要望も高まっている。
デジタルワークスペースが経営/ビジネス課題に貢献したとの回答は6割超え
今回の調査では、デジタルワークスペースがユーザー企業の経営課題/ビジネス課題に対する貢献度について、調査分析している。「ガバナンス統治とセキュリティポリシー策定」「動的なIT資産と人材の活用」などの経営課題/ビジネス課題へ貢献できたと回答しているIT管理者は6割を超え、2018年と比較して増加している。
また、その効果を「わからない」と回答したIT管理者は、2018年と比べて、大きく減少、20%台になっている。デジタルワークスペースの「ビジネス課題に対する効果的な使い方」が浸透してきたとIDCではみている。
IDC Japan PC,携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストである渋谷寛氏は、「ITサプライヤーとユーザー企業が、先進関連テクノロジーをベースに、デジタルワークスペースを構想し十分に使いこなすことによって、投資対効果、ビジネス課題への適用、事業へのIT活用が向上している。それが満足度向上につながる」と述べている。
今回の発表は、IDCが発行した「2019年 国内クライアント仮想化市場 ユーザー動向分析調査」に詳細が報告されている。
※デジタルワークスペースとは、クライアント仮想をベースに、以下の技術/製品/サービスのいずれかが採用されているものを表す。
- 仮想化デスクトップ/仮想アプリケーションの多重化/複合化
- クライアント環境とモバイル環境を融合した仮想化基盤
- モバイルアプリ/仮想アプリ/Webアプリ/クラウドアプリ
- 多要素認証技術/2経路認証技術/セキュリティ技術
- GPU(グラフィクス)仮想化/モバイル仮想化/ネットワーク仮想化/サーバー仮想化/ストレージ仮想化/ユーザープロファイル仮想化