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2025年の崖をどう超えるか

2025年までにSAP ERPをまずはクラウドにリフトして、企業のIT環境をDXレディにする


 連載企画。今回はERPコンサルタント鍋野敬一郎氏、BeeXの広木 太氏の意見を踏まえてERPのモダナイズとレガシーからのリフト&ソフトの実践上の要点について述べていこう。

 日本でクラウドが普及するターニングポイントとなった出来事の1つが、東日本大震災だろう。きっかけが前向きでないのは残念だが、大規模な災害を経験したことで手許にITシステムを置くよりもクラウドに置くほうが安全性が高い、あるいはビジネス継続の方策の1つとしてクラウドを活用すべきとの認識が一気に広がった。

ERPアプリケーションのインフラをまずはクラウド化する

 日本ではトレンドの潮目が変わると、多くの企業が一気に動き出す。動き始めれば、その速度は意外に速い。そのため2025年の崖に向かいSAP ERPのモダナイズに取り組む企業が、今後は大きく動き始める可能性があると言うのは、ITのコンサルタントでERP専門家の鍋野敬一郎氏だ。

株式会社フロンティアワン代表取締役 鍋野敬一郎

株式会社フロンティアワン代表取締役 鍋野敬一郎

 日本でSAP ERPを導入している企業の規模は、大手が中心だ。それら企業の多くがSIやコンサルティング会社などのパートナーの支援を受け、SAP ERPを導入してきた。パートナー企業は基幹系アプリケーションのインフラ構築よりも、コンサルティング会社などのERPアプリケーションの導入支援を得意としているところが多い。

 一方で2025年の崖に向けまず取り組むべきは、ERPのアプリケーションを動かしているインフラのモダナイズ、つまりは基幹系システムインフラのクラウド化からが妥当だ。ところがこれを支援できるパートナー企業が、「日本には10社ほどしかないのでは」と鍋野氏は言う。

 そんな中、ERPアプリケーションのインフラのモダナイズを専門に行っているのがBeeXだ。ERPアプリケーションのインフラ運用の保守にかかるコストは、企業にとっては高止まりしている。そこをクラウド化して圧縮し、インフラの柔軟性を向上させベンダーロックインのポイントもなくす。そうすることで「ERPの環境をDX(デジタルトランスフォーメーション)レディにします」と言うのは、BeeX 代表取締役社長の広木 太氏だ。インフラをクラウド化することで、次なるDXのためのコストを捻出できると言う。

 DXはチャレンジして検証し、フィードバックを受けて改良し、再びチャレンジをする。このサイクルを速いペースで回せなければならない。これを行うには、パートナーに丸投げするような体制では上手くいない。ある程度内製化して取り組む必要がある。IT人材が限られている中で内製化するには、インフラの運用管理の手間を大幅に削減しその上で動かすアプリケーションやサービスに注力できるようにする。これはクラウドベースの仕組みでなければ難しいのだ。

株式会社BeeX 代表取締役社長 広木 太氏

株式会社BeeX 代表取締役社長 広木 太氏

 とはいえ、既存のオンプレミスのERPアプリケーションをいきなりクラウド化し、さらにエンジンも新しくなるSAP S/4HANAに変えるとなると、インフラもアプリケーションも変更することになりこれは大きな手間となる。そこで「まずは既存インフラのモダナイズを行います。そこから次のステップでDXに向かうのです」と広木氏は言う。インフラのモダナイズだけであれば、ERPアプリケーション部分は基本的に変わらない。

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2025年は重たい基幹系システムの保守運用を軽くする良いきっかけ

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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