2030年までに顧客に提供した製品と同じだけリサイクルを実現する
イベントの基調講演に登壇したDell Technologiesの会長兼CEOのマイケル・デル氏は、これまであまり表だってはアピールしてこなかった企業の社会貢献について語った。また2030年に向けた、社会変革のための新たな目標も発表した。
「2030年までに、顧客が買うすべての製品と同等のものをリサイクルします」とデル氏。その他にも持続可能性の領域では、すべての製品パッケージを100%リサイクル資源もしくは再生可能な資源にすること、2030年までにユニット収益あたり60%の温室効果ガスの排出も削減することなどを明らかにした。
差別をなくし多様性を受け入れるインクルージョン文化の醸成については、2030年までに全従業員の50%を女性にし、役職員の40%も女性となるようにすることも明らかにした。他にも米国においてアフリカ系米国人やヒスパニックの従業員、役員の割合についても目標を掲げた。Dell Technologiesの2030 年に向けた目標の全リストはWebページ(https://corporate.delltechnologies.com/en-us/social-impact.htm)でも詳細を確認できる。
PowerOneは自律化で人手のオペレーション作業の98%を削減する
Dell TechnologiesのCTO ジョン・ロース氏は、新たなクラウドプラットフォームとなるPowerOneについて解説した。PowerOneでは「Autonomous(自律化)」がキーワードとなり、2019年5月に発表したVMware Cloud on Dell EMCのプラットフォームとなる。「PowerOneはベストオブブリオードの統合化されたプラットフォームであり、自律化により人手によるオペレーションの98%がなくなります」とロース氏。PowerOneは、VMwareとかなり深いレベルで統合化しており、「PowerOneによりDell Technologies Cloudのレベルが、新たな次元に入ります」とも言う。
このPowerOneは、基本的に大規模なミッションクリティカル用途で使うことが想定されている。また、AIおよび機械学習のアプリケーションに不可欠なサービスやセキュリティーも提供する。「VMware vRealize」などクラウド管理ツールセットとも簡単に統合可能だ。
PowerOneは、ミッドプレーンがないユニークな構造のモジュール式サーバーである「PowerEdge MX」、スイッチハードウェアを抽象化および自動化して複雑さを軽減している「PowerSwitch」、そしてハイエンドストレージの「PowerMax」といったコンポーネントで構成される。オプションとしてデータ保護の「PowerProtect」も追加できる。PowerOneのストレージコンポーネントは現時点でPowerMaxのみだが、次の四半期ではUnityシリーズなども採用できるようにする予定だ。
PowerOneのコンポーネントは、「PowerOne Controller」により統合的に管理される。PowerOne Controllerは、PowerOneのラックに搭載された3台の専用PowerEdgeサーバーの上で稼動し、KubernetesのマイクロサービスアーキテクチャーとAnsibleのワークフロー機能を使いコンポーネントの構成設定、プロビジョニング、ライフサイクル管理を自動化する。たとえばコンポーネントが物理的にラックに追加されれば、それを認識しPowerOneのリソースに自動で組み込み拡張される。1つのラックに搭載されたPowerOne Controllerで、複数のラックに搭載されたコンポーネントを管理できる。
このPowerOneは、デル氏が2030年の目標として掲げたリサイクルの実現にも貢献する。PowerOneは集約された小さなフットプリントで実現されており、あらかじめリサイクルして再利用できることを念頭におき設計されたものとなっているのだ。