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ガートナーに訊く企業のコンテナ活用の今後(後)── AWS vs マルチクラウド陣営

edited by DB Online   2020/03/24 07:00

コンテナ、Kubernetesは仮想インフラの代替になるとの発想は捨てる

 ところでコンテナ技術におけるKubernetesの良さの1つは、エコシステムが確立されさまざまなものが既にKubernetesの上で動くこともある。Kubernetesの上でさまざまなものが動けば、アプリケーションの可搬性や信頼性を確保しやすくなる。いち早くこの領域に力を入れているのがIBMだ。Cloud Paksを提供しており、OpenShiftのKubernetesで動くミドルウェアをパッケージ化し提供している。

 またGoogleのマーケットプレイスも充実している。既にKubernetesで動くものが70以上も登録されているのだ。これらはマーケットプレイスから簡単に導入できるが、Kubernetesの運用するには設定などを別途する必要があり、SaaSのマーケットプレイスにあるアプリケーションほど簡単に利用できないのは今後の課題だろう。

 2019年には、国内でもエンタープライズ領域でコンテナを活用する良い事例が出た。2020年は先行事例と同じような取り組みを始める企業がさらに増えるはずだ。顧客との関係性改善につながる「モード2」の取り組みが上手くできていない企業は、コンテナを使いこなせていない現状がある。今後はそういった企業の存在がより明確化し、コンテナを使いこなせているかいないかで、企業が二極化するだろうと桂島氏は指摘する。

 ただしこの差は、クラウドベンダーやソフトウェアベンダー、SI企業のサービスなどで埋められる。なので躊躇うことなく、IT部門は積極的にコンテナ活用を検討すべきだ。その際にはコンテナの運用などをパートナーに任せるのも有効だ。

 しかしながらビジネスに価値を生み出すモード2のためのプロジェクト自体は、他社に任せられない。自分たちでそれをいかに検討し実行をリードできるかが鍵だ。コンテナ技術は進化し、今後もどんどん簡素化して使いやすくなる。コンテナやKubernetesは新しい技術で進化は速い。それぞれのベンダーの方向性を見極め、自分たちに合ったソリューションを選べるよう選択眼を磨く必要はありそうだ。



著者プロフィール

  • 谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

    EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーター かつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリストとして、クラウド、データベース、ビッグデータ活用などをキーワードに、エンタープライズIT関連の取材、執筆を行っている。

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