大手企業のミッションクリティカルな基幹システムもターゲットに
――改めて技術面から見て「EDB Postgres」は、どのようなデータベースなのでしょうか。
佐瀬力氏:EDB Postgresは、普通のデータベースが欲しい企業のニーズにマッチする製品です。さらに技術者としてEDB Postgresを提案する上で安心できる点は、ベンダーであるEDBとかなり近い関係性の中でサポートできることです。営業も技術もEDBと一緒に提案しサポートする、それが極めてやりやすいのです。
その上でOSSベースのEDB Postgresは、顧客が最適なプラットフォームをまだ1つに決めていない場合にもお薦めです。どのような環境でも動くので、マルチクラウド、マルチSI体制の選択肢としても最適です。これからのマルチクラウド時代に、極めて相性の良いデータベースでしょう。
企業のニーズにマッチした、ミッションクリティカルなシステムでも利用可能なデータベースであるという証明は十分できたので、今後はEDB Postgresでしか実現できないようなシステムにチャレンジしていきたいですね。
――今後のビジネス展開の方針をどのように考えていますか。
藤田氏:今後は、大規模なシステムをターゲットにしていきます。これまでも大企業で採用されていますが、どちらかと言えばあまりミッションクリティカルでない小さな規模から採用され、徐々に大きなシステムでも使われるようになりました。これからは、大手企業のミッションクリティカルなシステムを最初から狙います。そのために営業担当もアサインし、パートナーと協業し取り組む体制を整えています。既に一部では、その成果も出始めています。
一方で、これまで提供していなかったコミュニティ版のサポートも始めました。パートナーにはこの領域のビジネスを行っているところもありますが、それを奪うのではなく一緒に市場を拡げられればと考えています。
また今後は、コミュニティへもさらに貢献します。日本法人には、PostgreSQLのコントリビューターの鈴木幸市、メジャーコントリビューターのAmit Langoteと澤田雅彦がおり、7月26日から開催される「EDB Postgres Vision Tokyo 2021」でも講演します。鈴木はデッドロックをどうやって発見しそれを解消するのか、Amitはテーブル・パーティショニングを開発した1人でもあり、テーブル・パーティショニング機能が最新のPostgreSQL 14でどう実装され、Oracle Databaseとの比較や今後の開発方針なども説明します。澤田にはPostgreSQL 14の見所や今後の開発方針について解説してもらいます。このようにPostgreSQLを開発している本人たちから直接話を聞ける機会をもち、PostgreSQLの情報発信に力を入れます。
――アシストにおけるEDBの戦略はいかがでしょうか。
小西氏:アシストでは多くの製品を扱っていますが、アシスト以外からも同じものを買うことができます。そういった中でアシストを選んでもらうには、サービスやサポートでいかに顧客ビジネスの成功に貢献するか。EDB Postgresも、顧客の成功の視点で提案します。顧客にとって今後のデータベースのプラットフォームはどうあるべきかを考える。デジタル化から企業のDXにつなげるところで、EDBが活用できると考えています。その結果として、EDBのビジネスをこれまでの2倍はやりたいと思っています。
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