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“HOW”ではなく“WHAT”を語れ CIOに求められるスキルと視座

  2021/06/28 11:00

 本誌でも連載中の「TBM(Technology Business Management)」を推進する成塚歩氏と、パーソルホールティングスの執行役員CIOの古川昌幸氏、小社の押久保剛統括編集長 兼 EnterpriseZine編集長のオンライン鼎談を開催。日本におけるIT部門の課題をどこにあり、どう解決するのか? そして事業会社のCIOとホールディングスのCIOの違いなどについて、古川氏から聞きました。

経営・事業コンサルは一流、ITコンサルは三流と呼ばれた時代

押久保剛(以下、押久保):Apptioの成塚歩代表と、パーソルホールティングスの執行役員CIOの古川昌幸氏、そして私によるオンライン鼎談です。成塚さんには、本誌でTBMの連載をお願いしておりますが、古川さんと私は初めましてとなります。さっそくですが、古川さんのこれまでのキャリアについてご教示いただけますでしょうか。

Apptio 代表取締役社長 成塚歩氏(写真左)パーソルホールティングス 執行役員CIO 古川昌幸氏(写真右)
Apptio 代表取締役社長 成塚歩氏(写真左)パーソルホールティングス 執行役員CIO 古川昌幸氏(写真右)

古川昌幸氏(以下、古川氏):1986年に現在の野村総合研究所(NRI:当時は野村コンピュータシステム)にエンジニアとして入社し、基幹システムのグランドデザインなどを担当しました。当時、経営コンサルや事業コンサルは一流の仕事といわれていましたが、ITコンサルは三流なんて言われていた時代で、野村総合研究所はそこを変えていこうとエンジニア出身の僕らを90年代になってすぐITコンサルタントにしました。

 ITコンサルタントとしての領域は当初、金融機関中心でしたが、90年代後半には非金融分野にも仕事の幅が拡がりました。製造業であったり、メディア系であったり、家電量販店であったり。2002年に野村総合研究所(NRI)が上場し、2003年のタイミングで同社の経営企画部長となり、コーポレート系の業務に就きました。組織の動かし方などを、当時の社長の下で学べたのは大きな経験となっています。

 2005年頃から、多くの会社が事業とITはセットで考えていくべきという流れとなっていたように思います。事業戦略にどうテクノロジーを活かすかという課題が経済社会で巻き起こり、経営企画から再びコンサルタントに戻ります。

 その後、味の素の情報子会社の経営陣として成長をサポート、続いて味の素本体の情報企画部長を務めさせていただき、またNRIに戻りました。これまでの経験を通じてさらに貢献できることはないかと考えていた時に、パーソルに来ないかとお話があり、2020年7月にジョインしました。

成塚歩氏(以下、成塚氏):パーソルへ入られた決め手はどこにあったのでしょうか。

古川氏:コンサルタント出身なので、リサーチはしますよね。そうすると、このグループはGAFAが持っていない情報を大量に持っている。ビジネスも多様性があり、パーソルの事業規模で事業概要をキャッチアップするには1ヵ月かかると考えていたのですが、実際には3ヵ月程度もかかりました。そこもまた面白さを感じましたね。しかも、これからさらに変わろうとしている過渡期であることも興味を持った理由です。

押久保:過渡期というのは?

古川氏:2020年4月にパーソルグループは、SBU(ストラテジックビジネスユニット)体制に移行し、ビジネスユニットごとの自立性を高めて事業のスピードをあげていこうとしています。その分、情報は分散していき、そのマネジメントをどのようにしていくかなどの課題もありました。CIOとして参画し、寄与できることがあると感じました。

成塚氏:パーソルさんは、グループで人材派遣業や転職サービスなども行っていますし、それぞれのサービス名も広く認知されていると思います。SBU体制というのは、グループ会社を事業内容でくくりなおしたイメージでしょうか。

古川氏:そうですね。人材派遣・アウトソーシングなどを担うスタッフィング、それから新卒採用・転職などの人材紹介という大きな2本柱が知られていますね。3本目の成長柱として専門性をもったエンジニアの派遣やアウトソーシングなどの事業ドメインがあり、スタートアップのようなソリューションを提供している会社もあります。

押久保:それだけ多様だと、古川さんのようにグループのCIOとなると事業理解が確かに大変そうです。

古川氏:グループのCIOとして難しいのは、距離感の取り方ですね。事業会社のCIOと異なり、なんでも自分で推進するわけにはいかない。現場のIT部門が何をしているのかを見極め、任せられるところは任せるという距離感の取り方。これに1年間パワーを注いできました。

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著者プロフィール

  • 中村 祐介(ナカムラ ユウスケ)

    株式会社エヌプラス代表取締役 デジタル領域のビジネス開発とコミュニケーションプランニング、コンサルテーション、メディア開発が専門。クライアントはグローバル企業から自治体まで多岐にわたる。IoTも含むデジタルトランスフォーメーション(DX)分野、スマートシティ関連に詳しい。企業の人事研修などの開発・実施も行うほか、一般社団法人おにぎり協会、一般社団法人日本編集部の代表理事として、日本の食や観光に関する事業プランニングやディレクションも行う。

  • 押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

    メディア部門 メディア編集部 部長/統括編集長 兼 EnterpriseZine編集長 1978年生まれ。立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、『MarkeZine(マーケジン)』の立ち上げに参画。2006年5月のサイトオープン以降、MarkeZineの企画・運営を一貫して担当。2011年4月(当時32歳)にMarkeZineの3代目編集長となり、2015年4月からは第2メディア編集部 部長/MarkeZine編集長/マーケティング広報課課長を兼任。2019年4月よりメディア部門 メディア編集部 部長/統括編集長に就任。9月よりEnterpriseZine編集長も兼任。各メディア編集長と連携し、翔泳社が運営する全メディアの価値向上を図っている。

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