KDDIとノキアソリューションズ&ネットワークス(以下、ノキア)は6月18日に、携帯電話基地局の電力使用を抑えることでCO2排出量の削減を目指す実証試験の実施に合意した。本実証試験では、ノキアの基地局AI制御技術と基地局液体冷却技術の2つの技術を、日本で初めて商用の携帯電話基地局へ導入するものだという。
1.基地局AI制御技術(Nokia AVA Energy Efficiency)
通信事業者のノウハウと、AIによる基地局の電波制御を組み合わせることで、体感品質を維持したまま基地局の電力使用量を削減することを目指すとしている。AIで基地局ごとの季節変動などによるトラフィック量の変化を分析し、適切な時間帯やトラフィック量を判断して動的に電波を停波・発射。KDDIの検証環境におけるノキアとの共同検証の結果、トラフィック量が少ない環境では、平均で最大20%、基地局単位では時間帯によって最大50%の電力使用量を削減可能であることを確認しているという。また、基地局の開発ベンダーや通信方式にかかわらず導入が可能であり、将来的にKDDIの多くの基地局への導入も可能だとしている。
2.基地局液体冷却技術(ノキア液体冷却方式AirScaleベースバンドソリューション)
従来の空冷方式より冷却効率の高い液体冷媒で冷却を行う基地局液体冷却機能を導入し、基地局設備が収容されている室内の冷却に使用する空調の電力使用量を削減するという。これにより、基地局設備の発熱量と空調設備の性能数値を考慮した推定では70%以上の電力使用量の削減が見込まれる。また、液体冷却装置は基本的にメンテナンス不要かつ無音のため、様々な場所への展開が容易だという。
両社は、テクノロジーを駆使しCO2排出量の削減に取り組んでおり、本実証試験の結果も踏まえ、今後もCO2排出量の削減を可能にするシステムの研究開発を実施するとしている。
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