ZEALS(ジールス)は、日本の屋内環境に最適化した準国産コンパクトヒューマノイド「D1」を正式発表した。
D1は、医療・介護施設、製造・物流、ホテルなどの屋内現場での稼働を想定したヒューマノイドだという。AIによる自然な対話、受付・案内、ナビゲーション、多言語対応に加え、双腕による物品運搬や作業補助を通じて、人手不足に直面する現場を支援するとしている。価格は1体500万円からを予定し、すでに導入相談および販売の受付を開始している。

なお、ジールスは販売台数だけでなく、ロボットが実際に業務を担った「現場稼働時間」を社会実装の重要指標に掲げるとのことだ。2026年度内に100台を量産し、累計10,000時間の稼働実績を目指して、医療現場を皮切りに多様な産業へ展開すると述べている。
また、医療、保険、リース、デプロイの4領域のパートナーと連携し、ユースケース創出、リスク管理、資金計画、導入・運用支援までを一体で推進するとのことだ。
D1は、すべての部品を国内で構成する「純国産」ではなく、「準国産」から始めるという。現時点で純国産にこだわり、価格高騰や世界水準の技術・部品の導入を妨げれば、日本での社会実装が遅れるためだとしている。
世界の優れた部品や技術を取り入れながら、AI、ソフトウェア、制御、組立、日本の現場に合わせた導入・運用をジールスが国内主導で進め、世界水準の性能と現実的な価格を両立するとのことだ。
最終的に目指すのは、日本発の「純国産」ヒューマノイドだという。D1の社会実装で得たデータや運用ノウハウをもとに、国内の部品メーカー、製造事業者、研究機関などと連携し、主要コンポーネントの国産化を段階的に進めるとのことだ。D1を、日本の技術・製造基盤を育て、世界で戦える純国産ヒューマノイドへつなげる起点にすると述べている。
コンパクトヒューマノイド「D1」について
病院、介護施設、製造・物流現場、ホテルなどでは、限られた通路幅やエレベーター、既存設備、人が行き交う動線の中で、安全に移動・稼働できる設計が求められる。D1は、導入しやすいサイズ、価格、運用性、安全性に加え、人との自然なインタラクションを重視しているとのことだ。
また、対話や案内にとどまらず、双腕による物品準備、配膳補助、計量、運搬、物品の受け渡しなど、身体性を伴う業務支援へ展開するという。特徴は以下の4点だとしている。
1. 世界水準の技術を取り入れ、1体500万円からの価格を実現
世界水準の技術や部品を取り入れながら、1体500万円からの価格帯を実現。実際の業務で継続稼働させるには、現場が導入を検討できる価格が不可欠だとしている。
一方、必要なのは本体価格だけではないと同社。対象業務の選定、現場環境への適応、データ収集、モデル学習、運用設計、保守、リスクへの備えまで、導入後も稼働を続ける仕組みが必要だとしており、保険・リースパートナーとの連携や運用支援を通じて、継続活用できる環境を整備するとのことだ。
2. 全高約129.3cm、走行ベース幅48cmのコンパクト設計
日本の建物や屋内空間での活用を前提に、全高約129.3cm、走行ベース幅約48cmのコンパクト設計を採用。病院、ホテル、オフィスなどで、限られた通路幅や扉、エレベーターに対応し、人と同じ空間で継続的に稼働するフィジカルAIを目指すとのことだ。
D1は、大規模な設備変更や専用環境を前提とせず、対話、移動、案内、見回り、運搬、作業補助などを担うという。
3. 人と同じ屋内空間で、長時間安全に稼働するための設計
人と同じ屋内空間で長時間稼働することを前提に、安全性と運用性を重視。病院や介護施設、ホテル、製造・物流現場など、多様な人や設備、搬送物が存在する環境での安全な稼働を目指すとしている。
アームの全軸にトルクセンサーを搭載し、人や物体との接触を検知した場合に動作を停止できる仕組みの実装を進めているとのことだ。移動時も人や障害物を検知し、安全な速度と動線で稼働できるよう制御を高度化するという。
また、最大約8時間稼働できるバッテリーにより、受付、案内、見回り、運搬などを長時間担えるとのこと。筑波大学附属病院での先行PoCでは、実際の屋内環境に近い条件下で、人との接触ゼロ、転倒ゼロで検証を完了したと述べている。
4. AIコミュニケーションの知見を生かしたヒューマンインタラクション
移動や作業だけでなく、人と自然に関わることを重視した設計になっているという。自然な対話、受付応対、案内、声かけ、多言語対応などから社会実装を進めるとのことだ。
医療・介護現場では、案内、問い合わせ対応、待ち時間中の声かけ、高齢者の見守り、体操やレクリエーションなどを想定。ホテルでは館内案内や多言語対応、製造・物流現場では作業者への案内、確認、報告、異常通知などへの活用を見込んでいるという。
また、対話を起点に、双腕による物品の受け渡し、配膳、物品準備、運搬、計量、作業補助などへ対応領域を広げるとしている。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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