人手不足のIT部門が抱えるデータベース運用にまつわる様々な課題
HCIが登場した当初は、柔軟性の高さや拡張の容易性などからVDI(仮想デスクトップ)のサーバーで利用されるケースが多かった。しかし、Nutanixの場合はそこから高い可用性や運用性も評価され、データベースなど基幹系システムのワークロードでの利用も増えている。システムをNutanixクラウドプラットフォーム上で動かせば、クラウドで動かすのと同様に、IT部門はインフラ管理の手間から解放される。そして「Nutanixクラウドプラットフォームの利点を活かせば、データベースもマネージドサービス、つまり“Database as a Service(DBaaS)”として利用できます。さらに柔軟性の高さを活かし、DevOpsの実践にもつなげられます」と言うのは、ニュータニックス・ジャパン合同会社 シニア ソリューションアーキテクトの小池淳一氏だ。
比較的保守的な日本企業は、HCI上で基幹系システムを動かすことにあまり積極的ではなかった。一方、基幹系システムのデータベースでは、運用負荷の増大など様々な課題を抱えている。その解決のためにクラウドを活用したいが、一足飛びにパブリッククラウド化するのは難しい。パブリッククラウド化では、既存アプリケーションの改変やテストなどに大きな手間がかかるからだ。また、業界の規制や企業のコンプライアンスルールのため、パブリッククラウド化できないデータベースシステムもある。
そのためまずは、個別サーバーで動かしていて手間のかかるデータベースをNutanixに集約。これにより、インフラ管理の負荷を軽減するのだ。そして次のステップで、移行しやすいものから順次クラウド化する。このようにハイブリッドクラウド型で、データベースを適材適所で運用するアプローチも増えている。
現状、データベース環境のNutanix上での統合について特に技術的な壁はない。「あるのは、仮想化環境ではコストが上がるライセンスの縛りでしょう。そのためデータベースだけはオンプレミスのスタンドアローンサーバーで運用し続ける例があります」と小池氏。そのような環境では、システムやプロジェクトごとにデータベース環境を構築し運用されている例が多い。これではデータベースがサイロ化し、運用ライフサイクルの標準化もままならない。バックアップやシステムメンテナンス作業についても、システムごとに手作業で実施するため、慢性的なIT部門の人手不足の中では大きな負担になっている。
他にもデータベースのクラスター構築に、手間がかかるとの声もある。実際、Oracle Real Application Clusters(RAC)やMicrosoft SQL ServerのAlways On 可用性グループの構築に、数日から1週間もの時間がかかることは珍しくない。独自のノウハウやスキルも必要とされ……
※この記事で紹介したサービスの資料をダウンロードいただけます。資料は会員の方のみダウンロードしていただけます。