オートバックスを変えた自動車産業の近未来
オートバックスセブンの考える6つのビジネスネットワークとそれを支える情報基盤についてご紹介します。まず始めに、当社のビジネスと自動車業界に関する環境の変化についてお話しします。
当社の創業は1947年2月、本社所在地は東京・豊洲です。従業員数はグループ全体で4,000名をかぞえ、フランチャイズを合わせると約12,000名の規模になります。売上高は2,200億円で、フランチャイズとの合計では2,700億円弱です。1974年に日本初のカー用品のワンストップショップ、オートバックスを開発し、第1号店を大阪・大東市に出店しました。現在、全店舗数は635店でうち国内が590店、海外45店です。最近はJACK&MARIEというライフスタイルを提案する店舗も出店しています。主要なビジネスは国内オートバックス事業で、売上の約8割になります。海外事業が5%、ディーラー、 BtoB、私の所管のネットワーク事業が18%というポートフォリオを形成しています。
自動車業界の動向について触れて置きます。将来のキーワードは「CASE」を挙げることができ、エコと安全性、効率化が進んでいくと予想されます。CASEはConnected (コネクティッド)、Autonomous(自動運転)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化)の頭文字です。コネクティッドでは交通インフラと自動車の連携が必要になります。自動運転においては交通事故件数の減少が予測されます。シェアリングが進み自動車保有台数も特にオーナーカーが減っていきます。電動化によって部品点数も現在の2/3程度に削減され、部品の構造そのものが変わっていきます。クルマを取り巻く環境はこうした変化が進んでいくと考えています。
「CASE」は進捗していきますが、当面、混沌とした状況が自動車業界、モビリティ業界には発生すると考えます。実際、年々自動車保有年数は長期化しています。数年前クルマを購入すると9年から12年の車齢が、現在では12年から15年と言われています。車齢が伸びれば整備頻度は増加していきます。自動運転が普及しても整備頻度が上がる可能性があります。整備不良の自動運転のクルマは不安で、自動運転が進化すればマメなメンテナンスをし続けなる必要が出てきます。さらにクルマの好み、生活・場面での割り切った使い方、ドライブの楽しみなど利用シーンや価値観の多様化が進んでいきます。またASEANを中心とした海外の日本車に対して部品や用品を供給するのかも非常に大きなテーマになってくると考えています。
保有車両、整備技術やユースサービスが多様化する中で「CASE」を含めて、こういうクルマの社会問題をどう解決していくのかが問われています。もちろん全てのニーズに1社だけで対応するのは不可能です。