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JDMC/データマネジメント2021 レポート

第一生命保険のDXの推進原動力となるデータマネジメント


 日本データマネジメント・コンソーシアム(JDMC)は、2021年3月4日に年次カンファレンス「データマネジメント2021~データによる可視化が現実と仮想を繋ぐ~」を開催した。先進企業が取り組む事例セッションの中から、第一生命のデータマネジメント室長の板谷健司氏が語る「DXの推進原動力となるデータマネジメント」について紹介する。

統計学の祖と医師が作った保険会社

第一生命保険株式会社 ITビジネスプロセス企画部データマネジメント室長<br />板谷 健司
第一生命保険株式会社 ITビジネスプロセス企画部データマネジメント室長
板谷 健司

 当社は、元々創業にかかわった人物が統計学者と医師という保険会社です。初代社長は統計学者で伯爵の柳澤保恵。柳澤は統計学を留学先で勉強し、日本の統計学の祖と言われている人物です。創業者であり二代目社長の矢野恒太は、日本生命の診査医、農商務省保険課長を経て、日本のアクチュアリー協会初代代表も経験しています。生命保険会社にとって切っても切れない統計学と医学の両方を知っている人物が建てた会社とご理解ください。そういう意味で第一生命は一般企業に比べデータ分析、データ活用を創業時から少なからず行ってきた会社であると言えます。

変革を起こすための組織を立ち上げる

 データマネジメント室は、データ活用力を高めDX時代に備えるために2019年4月に新設されました。将来的にはグループ全体のデータの活用管理や戦略的なCoE(横断型)を目指す組織です。DXを推進していく上で、DXを単なる業務の改善・効率化、高度化と捉えるのではなく、社会やお客さまのニーズを基にデータとデジタル技術を活用してビジネスモデルを変革していくことを目指しています。第一生命でもRPAや電子化等、一般的なデジタル化はこれまでも進めてきましたが、まだ改善・効率化、高度化の域を出ません。さらに強化してイノベーション・変革を起こしていくためCXやEXを更に向上させ、会社全体の事業変革を起こしてSTPDを回すことが必要と考えています。

[クリックして拡大]

 データマネジメント室はまずデータガバナンス、データリテラシーの向上に向けて、社内態勢の強化を図りながら、企業カルチャーを変えていこうとしました。また、高度なデータサイエンティスト・市民データサイエンティストの育成を行うだけでなく、データが活用できる基盤も整備しています。データ活用がさらに高度化・平準化できるようなツールやナレッジも整備して、戦略策定からデータ収集・分析・活用までを一気通貫で出来る態勢を作っていきたいと考えています。

 これらは、生産性向上(効率化・高度化)と新たな付加価値の創出(イノベーション)の二つを同時に追求していく取り組みです。生産性向上(効率化・高度化)はユーザー部門の各所管が中心になって行なっていくことが必要だと思います。付加価値の創出については経営に近い職層を中心にデータマネジメント室が一緒になって事業戦略の実現をリード・支援していきます。人員は当初10名でスタートしましたが、現在は22名、2021年度はさらに増強予定です。

 データマネジメント室は当初、渋谷でスタートしましたが、今は豊洲本社にあります。渋谷には第一生命のラボがあり、PoC(概念検証)を担う組織と隣り合わせの場所でした。データマネジメント室は企画部門やIT専門の人財で構成しているわけではありません。IT組織の中に属していますが、レポートラインはイノベーション組織の役員という両方の側面を有する組織です。DXによる会社の変革をしていく組織の一員とも位置づけられていて、その下支えをする組織として分析も行いますが専門家集団ではなく、ユーザー部門を育成していく部門としても位置づけられています。業務課題を解決しつつ、事業戦略を実現していくためのイノベーションを下支えする組織でもあるということです。

 データマネジメント室設立後、まずは暫定の分析基盤をおよそ1カ月で作りました。セキュリティなど配慮する余裕がありませんのでスタンドアローンで分析ができる環境を用意しました。

 2019年5月以降、本格的なDXを推進していくためのデータマネジメント基盤の検討に入ります。10月から開発開始という目標でしたので猶予は5カ月しかありません。PoCをしながら必要なインフラの選定から始めました。隣り合うラボ組織と協力しながらデータマネジメントのインフラ、ETL、AI、BIツールの検証を実施していきました。ラボの協力なしでは、わずか5カ月間で一から集まったメンバーだけでシステムやインフラの開発に入れなかったと思います。その後10月からデータ基盤、分析基盤の開発を行い、半年後にはデータマネジメント室のみで使える状態を作りました。2020年の10月からは先行所管、21年の4月からは本社全体が利用できる体制まで半期、半期のかなりのスピード感で進めてきたことになります。

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基盤を開発しつつ、データを棚卸し、現状を把握する

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山本信行(ヤマモトノブユキ)

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