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大和ハウス工業1万6000人以上の“仕事に集中できる環境”をどう守る? 鍵は「デジタルアダプション」

アビームコンサルティング×大和ハウス工業が示す「WalkMe」の導入効果

活用を定着化させるためには周知も重要に

 次に、WalkMe導入後の効果について、導入を担ったアビームコンサルティング デジタルプロセスビジネスユニット HCMセクター・執行役員プリンシパルを務める坂本孝司氏が、大和ハウス工業の従業員に対する調査結果を踏まえながら、WalkMeのインサイトデータを説明する。

 調査によると「ガイダンス機能があってよかった」と回答した従業員は86%、「勤怠システム以外でもガイダンス機能があったら便利」という回答は93%となっている。

従業員の半数以上が利便性を実感
従業員の半数以上が利便性を実感
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 「今回は試行期間を設けなかったため、従業員の皆さまに負担をかけた部分もあると思いますが、多くの方が『ガイダンス機能があってよかった』と感じてくれて嬉しかったです。一方で『まだ使い方がわからない』という声は多いのですが、その大半はWalkMeのガイダンスで解決できるものです。そのため、まずはガイダンスを周知させる方法を考えていきたいです」(池田氏)

 また、WalkMeのインサイトから得られたデータを基に、導入を開始した4月から6月までのデータが示された。「吹き出し表示・自動入力」が起動された回数は40万回、「常駐ランチャー」は13万回、「Smart Tips」による項目説明が表示された回数は460万回となっている。このとき、吹き出し表示・自動入力と項目説明について詳しく見てみると、6月に半減していることから、操作習得に寄与したという仮説が成り立つという

インサイト機能で使用頻度などを把握可能に
インサイト機能で使用頻度などを把握可能に
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 「勤怠管理は1ヵ月サイクルで運用していますので、2ヵ月目以降で起動回数が減ってきているのは、まさに予想していた通りでした。システムの習熟度が上がることによって企業全体におけるガイダンスの起動回数は減りましたが、普段あまり使用しない申請や、中途入社の方などが活用することを期待しています。ただ、ガイダンス機能自体に気づいてない方が一定数いますので、今後は啓蒙活動を行っていきたいと思っています」(坂倉氏)

 さらに、坂本氏はインサイト機能において、どのボタンがどれくらい押されたかの統計も出せるため、より細かなサポートに役立てられると補足する。

 従業員の負担軽減に加えて、もう一つの導入目的である新たな制度周知については、説明ページへのリンクという形でWalkMeを活用しているという。今後は、勤怠システムの機能を使うだけで自然と制度の理解も深まるような方向で実装をしていく方針だ。

 今後の活用について池田氏は「私は、WalkMeの利用が従業員の働きがい向上につながると思っています。働きがいを図る上で、仕事に対する誇りというものが指標としてあると考えています。本来の仕事以外に時間を取られてしまうと、その誇りが低下するのではないでしょうか。WalkMeを活用することで、本来の仕事に集中できる環境が整うと思っています」と語る。

 また、情報システム部門の視点として坂倉氏は「大和ハウス工業だけで計約1万6,000人以上の従業員がおり、ITリテラシーも様々です。システム導入には、いかにわかりやすく誰もが使えるものというのが前提でした。WalkMeがあれば、システムと使いやすさを切り離すことができますので、システム本来の目的である効果効率化と大和ハウスが前提とする『全員が簡単に登録できる』という、両方を満たした運用ができるのではないかと考えております」と述べる。

 なお、今回のWalkMe導入はアビームコンサルティングが行ったが、プログラミング知識のない池田氏も多くの設定を行なったという。IT知識がなくても利用できる、設定管理が難しくないというのもWalkMeの特徴であり、同社は今後もより一層の活用を目指していくとして講演を終えた。

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務とWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業した。編集プロダクション業務では、日本語と英語でのテック関連事例や海外スタートアップのインタビュー、イベントレポートなどの企画・取材・執筆・...

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