システムの運用を担当する人間にとって避けて通れないのが「ログ」の管理です。本連載では、無理なく取り組めるログ管理の方法をご紹介します。第1回では、ログ管理を取り巻く環境の変化をおさらいしましょう。
はじめに
みなさんは、「ログ」もしくは「ログ管理」と聞いてどういうイメージをお持ちでしょうか。前向きな、感じの良い印象をお持ちの方はあまり多くないかも知れません。「重要なのはわかってはいるけれど触れたくない」というあたりが正直な感想でしょうか。
そのようなみなさんの想いは置き去りにして、ログ管理の目的や収集・分析のテクノロジーはどんどん変化しています。従来のログ管理は、いざという時のためにコンピュータ内の事象を記録し、溜め込んでおくというのが中心でした。しかし、今では、法令遵守やリスクマネジメント強化、さらには「過去を蓄積して未来の経営に活かす」といった重要な役割を担うまでになっています。

このような環境変化の中にあって、ログ管理で成功を収めるには何が必要なのでしょうか? もちろん管理ツールの導入や運用手順の構築も大切です。しかし、それと同じくらい、むしろそれ以上に、「何のために」「何を」「どこまで」といった観点で、ログ管理に対する考え方を明確にしておくことが重要となります。
これらの点を踏まえた上で、この連載ではログ管理の仕組みを構築する方法について解説していきます。
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- この記事の著者
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前中 匡史(マエナカ マサフミ)
(株)オージス総研 運用サービス本部 IT基盤ソリューション第二部長。ITガバナンス、ITサービスマネジメント、IT基盤構築他 コンサルティングを統括。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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今井 英貴(イマイ ヒデキ)
(株)オージス総研 運用サービス本部 IT基盤ソリューション第二部 シニアITコンサルタント。ITサービスマネジメント、情報セキュリティマネジメント、ITリスクマネジメント他、コンサルティング業務に従事。中小企業診断士、ISMS審査員補。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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