日本アイ・ビー・エムは14日、エンタープライズ向けクラウド環境構築ソリューション「IBM CloudBurst V1.1」を発表した。
「IBMCloudBurst」は、プライベート・クラウド環境の迅速な導入を実現する“All-in-One”パッケージ。企業内でクラウド環境を構築する際に必要となるサーバ、ストレージ、ネットワーク、ソフトウェアといった各種製品に導入サービスを加えて提供する。
「われわれが持つプライベートクラウドをそのまま欲しいというお客様が多かった。クラウド環境の構築においては、ハードウェア、ソフトウェアなどの選定のほか、各種セットアップ作業などさまざまな手間がかかる。個別の製品ではなく、包括的なソリューションとして環境構築を支援する」IBM専務執行役員ソフトウェア事業担当の三浦浩氏は提供の背景を語る。
同ソリューションの利用によって、ユーザは構築の手間をかけることなく、自社に最適な形でクラウド環境を導入することができるようになる。また、導入後のメンテナンス作業などをユーザ企業側で行えるよう、スキルトランスファーも実施される。機器の設置から各種パラメータの設定、ユーザ教育などを含め、5日間程度で環境の引渡しを行うことになる。
「クラウドには確実にスイートスポットがある。適切な導入によって、70%~80%の運用コストを削減できた事例も報告されている。そうしたノウハウを凝縮して、すぐに皆さんの環境で使えるようにしたのが今回のCloud Burstだ」と同社 執行役員 未来価値創造事業担当 岩野和生氏は自信を見せる。
価格は2448万~。サービスの受注開始は2009年7月31日、出荷開始は2009年8月18日を予定している。1年間で15件程度の導入を見込んでいる。「この機会に、プライベート・クラウドの使い勝手を『味見』して欲しい」と述べた。
IBMではこれまで企業向けのクローズドなクラウド環境である「エンタープライズ・プライベート・クラウド」と、一般的なクラウド環境である「パブリック・クラウド」の両者を推進してきたが、今回からクラウド・コンピューティング向けの製品・サービス群を「Smart Business」としてブランド統合した。
Smart Businessは、IBMによるクラウド・サービス「SmartServiceServices」と、ユーザ専用のクラウド環境構築を支援する「SmartBusinessSystems」の2系統で構成。今回発表された「IBMCloudBurst」は後者に位置づけられる。