信金中央金庫(以下、信金中金)、東日本電信電話(以下、NTT東日本)および西日本電信電話(以下、NTT西日本)は8月30日、中小企業におけるDX推進のため業務提携すると発表。同日、信金中金とNTT東日本は記者会見を行った。
信金中金は、全国254の信用金庫の中央金融機関で、貸出業務では120万社以上の中小企業との取引があるという。同 理事長 柴田弘之氏は「何かあればすぐに相談できる身近な存在として、全国の中小企業をFace to Faceで支えている」と強調した。一方で中小企業の8割がDXに取り組んでいないと回答。特に地方ではその傾向が顕著だという。そうした課題を解決するため、信金中金のネットワークと中小企業とのリレーションに、NTT東日本とNTT西日本のデジタルサービスを提供してきた実績・ノウハウを掛け合わせることで「地域経済を担う中小企業一社一社にDXを浸透させることが可能になる」と説明した。
3者の業務提携の内容は次の4点。
- 中小企業向けポータルサービス「ケイエール」の普及・拡大
- 中小企業のDX実現に向けたサポート
- 信用金庫のDX推進態勢構築に向けたサポート
- 地域活性化にむけた取り組み
「ケイエール」とは、信金中金、NTT東日本、エメラダが共同開発したWebポータルサービスのこと。バックオフィスサービスや電子ファイルの共有・保存に加え、資金繰りの把握など、中小企業向けの機能を有している。10月から取り扱いを開始し、順次全国にサービスを展開。2027年3月末までに25万社の導入を目指すという。NTT東日本 代表取締役社長 澁谷直樹氏は、「ケイエールを起爆剤に、信金中金、信用金庫の裏方として、しっかり支えていきたい」と述べた。
中小企業のDX実現に向けたサポートでは、NTT東日本とNTT西日本は電話やオンラインを活用し、課題に合わせたソリューションをコンサルティングしていくという。NTT東日本の澁谷社長は対応する人員について、現在の約700人から、2024年~25年には5,000人体制になるよう社内でリスキリングを進めているところだと説明した。
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