SAPジャパンは10月4日、「パブリッククラウド型SAP S/4HANA Cloud」の最新版を提供開始した。最新版では、開発言語のABAPを用いたプログラミングにより、クラウドシステム上でのカスタム機能開発が行えるようになったという。
ABAPによるカスタム機能開発拡張は、拡張の柔軟性を高めるものであり、製品標準機能とあわせて、販売業務や製造業務といった業種あるいは顧客固有の要件が見られる領域にも対応可能なものとなっている。かつ、公開オブジェクトを使用した開発手法を採用しており、将来的な製品アップグレードの影響を受ける心配もないという。クラウドサービス利用によるイノベーションスピードの加速というメリットを保持したまま、固有のカスタム機能を実現することが可能だ。
SAPでは事業の急速なクラウド化を進めており、2025年にはグローバル全体で22億ユーロ(約3兆円)を売上目標に掲げている。今回の最新版の提供開始を踏まえ、今後SAPジャパンでは、販売や製造など、会計領域以外においても、パブリッククラウド型SAP S/4HANA Cloudの利用を積極的に推進していくという。
また同社は、主に中堅企業を対象とし、パブリッククラウド型SAP S/4HANA Cloudの導入を進めていくとしている。そのために、新たに専任営業部隊を組織し、事業推進体制の強化を図るという。また、ABAPを用いた業種別の機能開発については、パートナー企業による開発を中心に進めていく方針だ。今後、SAP S/4HANA Cloudに特化した新たなパートナープログラムを立ち上げる予定だとしている。
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