Splunkは、Enterprise Strategy Groupと共同で、データイノベーションの経済効果を定量化したグローバル調査レポート「2023年データイノベーションの経済効果」を発表した。このレポートでは、データイノベーションの優位性とビジネスの成功との間に相関関係があり、データ活用に優れた組織は9.5%の増益を達成し、市場で競合他社よりも優位に立つ可能性が2.9倍高く、利益目標の超過率が2倍に達することが明らかになったとしている。
調査方法
- 調査期間:2022年5月~6月
- 対象地域:オーストラリア、フランス、ドイツ、インド、日本、ニュージーランド、シンガポール、英国、米国の9ヵ国
- 対象者:IT/セキュリティ/ビジネスリーダー2,000人
調査レポートでは、リーダー的組織の定義を「データの分類、集約、品質、分析スキル、分析ツール、監視という6つの主要領域すべてにおいて優れている組織」としている。主な調査結果は以下のとおり。
- データ活用のリーダー的組織は収益を拡大しイノベーションを加速:リーダー的組織は、売上総利益を9.5%増加させると同時に、1年間に9種類の新製品をリリースしているという。また、リーダー的組織は、データイノベーションを営業、マーケティング、カスタマーサービス/サポートに適用することで、顧客生涯価値の向上に貢献したと報告する割合もビギナー組織の30%に対して49%だった。さらにリーダー的組織は、高いレジリエンスを持ち、セキュリティインシデントをより迅速に特定かつ対処できる割合がビギナー組織よりも11%高くなっていたとしている
- データ活用のリーダー的組織は競争力が高い:リーダー的組織では、競合他社よりも的確な意思決定がほぼ常にできていると回答した割合がビギナー組織の5.7倍だった
- データ活用のリーダー的組織はデータを積極的に運用し収益化:リーダー的組織では、データの収益化で収益が増え、急成長していると回答した割合が高かったという。データ活用率はビギナー組織を38%を上回り、データの収益化によってビギナー組織の2.3倍の収益をあげている
日本市場の主な調査結果
- リーダー的組織ではデータの活用が進み、組織内で生成されるデータの66%を活用しているという。これに対して、ビギナー組織では48%、取り組み中の組織でも57%にとどまった。日本では、51%以上のデータを活用している組織が全体で51%にのぼり、他のすべての国の平均36%を上回ったとしている
- 「今後24ヵ月間に優先的に対応すべきと考えるビジネス/ITのすべての課題の中で、データの把握と活用はどのくらい重要な課題ですか?」という質問に対して「社内の最優先課題である」と回答した日本の組織は13%にとどまり(全体の平均は26%)、調査対象の9ヵ国の中で最下位だった
- リーダー的組織が特に改善効果を感じている領域は、アプリケーション開発と可用性(リーダー60%、ビギナー35%)、データの収益化(リーダー59%、ビギナー32%)。日本の組織がデータイノベーションで特に改善を実現している領域は、顧客サービス/サポート(41%)、データの収益化(36%)、サプライチェーンの効率(36%)だったという
- データイノベーションのリーダー的組織では、経営幹部レベルでイノベーション志向を実践している。カスタマーサクセス、データガバナンス、データ戦略、データイノベーションに関する経営幹部レベルの役職を設けているリーダー的組織は90%以上にのぼるが、ビギナー組織ではその割合が大きく下がるという。日本では、これらの役職を設けている組織が56%~62%で、ビギナー組織全体の平均よりも低い結果になったとしている。
日本の組織が挙げた課題トップ3
- アイデアを実現するために各チームを調整してまとめるのが困難(29%)
- イノベーションに時間がかかりすぎる(28%)
- リスクを過度に嫌う組織文化がある(25%)
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